06.そうだ、刑務所に逝こう。
第24話
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
わった者の記憶が消されること無く世界を去る。
別に、一番じゃなければ死ぬことは無い。
彼女には痛覚を和らげる能力も在る。
私は窓から彼女を突き落とした。
此れで終わる訳無い。次の準備を為なければならない。
そう思ったから、今の内に眠らせておこうと言う訳だ。
「…………で、貴方、何やってるんですか?」
「は?」
キュラル君が私に向かって声を掛ける。そして、私の顔を見て、呆れた様に笑った。
「如何為ますかね、グレース。首領、死んでしまいましたよ?」
「あー、そうだね。僕達も次の世界に行くかね」
「それしか無いですもんね。じゃあ、首領に殺して貰うとしますか」
「そうだね」
キュラル君とグレース君は、直ぐに椅子から立ち上がり、部屋から出て行こうとする。其れを、七星君は制止した。
「待って下さい! 琴葉さんが死んだって、如何言うことですか……?」
「主は、さっき、此の世界で一番大切に為ていた者に、窓から突き落とされて死んだ。其れだけだけど?」
淡々と告げ、二人は部屋を出て行く。
私が、琴葉君を? …………殺した? 真逆……琴葉君が死ぬ訳無い。私が大切だったなんて、そんな事有り得ない。
壊れた機械の様に、引き攣った笑いを溢しながら、私達は琴葉君の元へ向かった。
血溜まりの中に、人形の様な物が一つ落ちている。
首や腕、脚が可笑しな方向に曲がっていて、光の無い瞳が虚ろに開かれている。
「嘘だろう…………? 琴葉君」
近寄ってみるが、彼女が起きる気配は無い。
否、銃で撃たれたときだって、直ぐには起きなかった。
「治癒能力者を呼べ。否、生きているか確認できる能力保持者だったら誰でも良い……早く」
すると、聖月さんが出てきて、ジッと目を凝らす。そして、暫くして躰を震わせた。
「琴葉さんに繋がる糸が……っ全て、切れてます…………完、全に……死んで、ます…………」
嘘だ。
嘘だ嘘だ嘘だ。
「結局、お前じゃ駄目なんだ」
キュラル君がそう言ったかと思うと、彼は琴葉君の手に短剣を握らせ、其れで自分の喉笛を?き切った。続けてグレース君も。
此れで、此の三人の時の旅人は、関わりを持った者の記憶を消すこと無く、別の世界へ移っていったのだろうか。
「……………………う………領……首領!!」
って、嗚呼。私は何時の間にか寝てしまっていたのか。書類を手に持ち、目の前には如月君が居る。
「大丈夫ですか? 最近、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ