プロローグ
[2]次話
今は、ベスフル王国歴199年。
もっとも、あの王国から遠く離れたこの地では、王国歴など意味はないのかもしれないけれど、私は、他に時を測る物差しを知らないため、こう記しておこうと思う。
ベスフルは、私の母の故郷であり、私自身も何度か訪れたことのある場所である。
でも、私がこの先、生きている間に、あの場所に戻ることは、もうないだろう。
私の名は、チェント・クローティス。
かつて、私の身勝手で、多くの人を振り回し、多くの人が死んだ。
そして、私は、生きるために、私を知る人のいない、この地に逃げるように移り住んだ。
許されることではないと、わかっている。どこまでも、身勝手で、卑怯な、私はそんな人間だ。
だから、せめて、私が、私自身の罪を忘れることのないよう、ここに刻んでおこうと思う。
これから、ここに記すのは、昔話。
これは、私、チェント・クローティスの罪の記録である。
[2]次話
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