機動戦士ガンダム
2176話
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が……
「あれ、アクセル君。それに明日菜達も。どうしたの、こんな場所で」
そんな声がして、救いの女神が姿を現す。
こっちにやって来たのは、円。
それこそ、明日菜を始めとした面々とは、10年以上もの付き合いが……もしくは、もっと長い付き合いのある相手。
そんな円の出現に、少しは落ち着いたのだろう。明日菜はそっと視線を逸らしながら口を開く。
「別に、ちょっとアクセルと話していただけよ。……そっちはどうしたの? アクセルを探しに?」
「え? あ、うん。そうそう。実はクレイドルで牛丼店を開きたいって人がいてね。……いや、この世界にも牛丼ってあったんだ」
しみじみと呟く円。
冷静沈着で出来る女といった様子の円だが、そんな円の弱点の1つが牛丼だ。いや、弱点って言ってもいいのかどうかは分からないけど。
俺と初めて会った時から、円は牛丼という料理に強い思いを抱いていた。
そんな円にしてみれば、このUC世界における牛丼というのは興味深いものなのだろう。
「あー……話は分かったけど、それを俺のところに持ってこられてもな。いや、けどそうだな。出来ればルナ・ジオン側ともその辺については話しておいた方がいいか」
「そう? まぁ、アクセル君がそれでいいのなら、私は構わないけど」
円は俺の言葉に、一瞬だけ明日菜の方を見るも……結局それ以上は何も言わず、俺と共にその場から立ち去る。
……立ち去る前に、近衛や桜咲に軽く手を振っていたが。
ともあれ、俺は円と一緒にその場を離れ、広い会議室の中を歩く。
「で? 牛丼って……本気か? サイド7とかサイド3とかでも色々と歩き回ったけど、牛丼屋とかは見た事がなかったぞ」
ハンバーガーショップの類はそれなりにあったのだが……そういう意味では、やはりこのUC世界というのは洋風の文化が強いのだろう。
「そうね。出来れば本気で進めてみたいとは思うけど。あれはアクセル君をあの場から連れ出す為の方便よ? 本気で進めてみたいけど」
何故2回言った。
いや、円にとって、牛丼というのはそれ程の意味を持っているという事なのだろう。
にしても、あの場から連れ出すか。
それは俺にとっても嬉しかったが……つまり、円は明日菜に俺が責められている光景を、じっと見ていたと。そういう事なのか?
そんな円に対し、若干不満そうな視線を向けてしまったのは……俺としては、仕方のない事だろう。
「何? もう少し見ていた方が良かった?」
「そうは言わないけど、出来ればもう少し早めに助けに来てくれれば嬉しかった」
「あのねぇ……アクセル君ももっと頻繁に明日菜を構ってあげてれば、こういう事にはならなかったのよ? 全く……」
そう告げる円の言葉に、俺はそっと視線を逸
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