第二章
第23話 告白
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るのは難しいので、すばしっこく動けば当たる可能性は減っていきます。たとえば、クロに当てるのはほぼ不可能だと思います」
三人同時に、床に座っているクロを見る。
クロは少し頷いたようにも見えた。
「人間の場合はどうすればいいのだ? このぶんだと、余はまた狙われる可能性があると思うが。余はクロのように速く動けないぞ」
「はい、そこが重要です。確かに人間は犬ほど速く動けません。なので、まずは『的にならないこと』が大事です。安全が確保されている場所以外では、陛下が外から見えなくなるくらい護衛で囲むようにしてください」
「なるほど。余が見えなければ狙いようがないということだな」
「そうです。まあ、演説などのときは顔を出さないわけにはいかないと思うので、その場合は聴衆の持ち物チェックを厳重にやってください。怪しいものを持っていた場合は即没収です。あと、できれば国中に御触書を出すといいですね。拳銃の絵を書いて、このような物を所持している者は届け出るように、と。密告を奨励してもいいかもしれません」
「わかった。リクの言うとおりにする」
「ありがとうございます」
国王の体はひとつしかないので、十分な対策を取ってもらわなければならない。
もう二度と、国のトップが射殺されるようなことがあってはならない。
「リク、もう一つ私から質問したいのだが」
「はい。どうぞ」
女将軍から追加の質問だ。
「今お前が提案したのは、今回の事件で使われた拳銃を想定した対策だよな?」
「ええ、そうです」
「では、暗殺者がさらに性能のよい拳銃を用意してきたり、もしくは拳銃とはまた違う武器で挑んできたらどうするのだ?」
「そうですね……。その場合でも、今申し上げた以上の対策は難しいので、それでいくしかないと思います」
「そうか。まあ、すべての手段に対抗できる策なんて存在せぬか」
俺の時代でも、SPに囲まれての移動、会場では持ち物検査、それくらいしかやりようがない。
「でも、将軍が心配されているような状況になる可能性は、少し低いかなと思っています」
「なぜだ?」
「えっと。実は拳銃って、遠くの物陰から狙いを定めて撃つにはあまり向いていない武器なんです。俺の時代では、本来ああいう状況においては、もっと遠くから正確に狙える『狙撃銃』という武器がありますので、それが使われます。
でも、暗殺者はそれではなく拳銃を持ってきました。つまり、暗殺者側は拳銃以上の武器は持っていない可能性が高いです」
「ほう。そういうことであれば、少し安心か」
女将軍は、本気でホッとしているようだ。
確かに、拳銃だけでもヤバいのに、他にもわらわらと未知の武器が出てきたら、というのはゾッとする話だろう。
「しかしリク
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