第二章
第23話 告白
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「えーっと。では再開します。黒服男の武器について、二人に伝えさせてもらいます。俺は、あの男が持っていた小型の武器によって、体に穴を空けられました。あれは『拳銃』という名前の武器です」
「私は初めて聞いたぞ」
「余も初めてだ」
今まで、国王は女将軍とともに別室で休憩していた。頭の整理ができたのか、落ち着きを取り戻しているようである。
「はい、本来この国には存在しないと思います。陛下と将軍が一度も聞いたことがないということですと、周辺国にも存在しないという認識でよいと思います」
「なるほど……。九年前に余の父が死んだのも、その武器でやられたのだろう? あのときのことは、まだはっきり覚えているぞ。音が今回とまったく同じであった」
「はい、音が同じということであれば間違いないと思います。九年前の事件は、あの武器で物陰から攻撃されたものと考えられます」
国王は少し下を向き、顎に手をやった。
「……なぜ存在しないはずのものがあるのだろう」
「それは残念ながらわかりません。俺が拳銃のことを知っていたのは、俺の時代には存在していたからです。特殊な仕事をする人間が持っていました」
「すると。あの人間も、お前と同じ時代からやってきたということか?」
「俺も一瞬それを考えましたが、言動からは違うような気がします。今の段階では『わからない』としか言えません」
ワープしてきた人間が、国王を「任務」で暗殺。やはり不自然に感じる。
また、あの男がワープ者なのであれば、俺が拳銃の所持を指摘したときに、「もしやあなたもワープ者……?」のような反応となるはずだろう。
ところがあの男は、「もしやあなたも人間……?」というようなことを言っていた。反応の仕方が合わないのだ。
もちろん「もしやあなたも人間……?」の意味は今でも不明である。わけがわからない。
「ふむ……。この場合は、お前がわからなければ、余も考えたところでわからなそうだな」
国王はそう言うと、茶色がかったサラサラの髪を、ぐしゃぐしゃとかき混ぜるような仕草をした。
代わって、今度は女将軍が俺に質問をしてきた。
「その武器の性能や特徴などはどうなのだ? 私には、『大きな音と同時にお前が倒れた』くらいしかわからなかったぞ。あれは何かを発する筒なのか?」
「はい。目に見えないくらいの速度で、金属の弾を発射しています。威力はとても強くて、距離が近ければ薄い鉄板なら貫通するかもしれません。俺は当たりどころがよかったので生きていましたが、胸や頭に当たれば一発で死亡です」
「……目に見えない速さである上に、当たれば即死する可能性があるのか。それでは逃げられぬではないか」
「まあ、そうですね……。でも、拳銃はピンポイントすぎて狙いを定め
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