ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
3章 穏やかな日々
23話 将来の旦那さん?Part3
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思ったんじゃないか」
「私もおんなじこと思ってた。きっと、ミカには人情の厚い温かい場所で生きてほしいって思ったんだと思う。厄介払いしたかったら自分で殺すだろうしね。それに、私たちがミカを殺すだなんて、思うはずがないと思うし」
「…でも…」
ツカサはうつむきがちな姿勢で、つぶやくように言った。
「俺は兄さんの期待とは違うことを、してしまった。…ほんとに、これでよかったのかな…」
今のツカサの表情にあるのは、迷いと少しの後悔。リアはツカサの背中にそっと手を置いた。
「ミカが自分で臨んだことを、ツカサ君は尊重しただけだよ。それにね、ミカは強い子だから。どこへいったって、たとえ黒鉄宮に行ってもきっと強く生き抜くと思う」
「…そうだな、そうだといいな」
ツカサはそう言ってほほ笑み、リアの顔も自然にほころんだ。
「…ああ、そうだ。リアに、ミカから伝言があったんだ」
「ミカから?…どんなの?」
「リアがこの世界を終わりにするのを待ってるって」
「…そっか、わかった」
なんとなく、心が温かくなったような気がして、リアの顔には自分でも意識しない笑みが浮かぶ。
…だが
「あー、えーと、その、リア、まだ続きがあってだな…」
「ん?まだあるの?なに?」
視線があちこち動き、落ち着かないツカサ。リアはなんとなく嫌な感じがした。リアが返事をした後も、しばらくためらっていたが…
「物凄く言いにくいんだが…その、現実世界に戻ったら、リアよりもいい女になって、あー、その、お、俺を奪ってやるって…」
ツカサは確実に夜の冷気が3度下がったのを感じた。リアの湯気を立てた温かい微笑みが絶対零度の笑みまでズドンと下がる。
「あの小娘…今度会ったときは絶対駆逐してやる」
「ほどほどにしてくれよな…」
苦笑いを浮かべながら、ツカサはふっと空を仰ぐ。人工の星がきらめくのを見ながら、ツカサは一人の少女に心の中で語り掛けた。
また、会おうな、ミカ…
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