ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
3章 穏やかな日々
23話 将来の旦那さん?Part3
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…私を、ツカサの手で黒鉄宮に入れてほしい」
「っ!?ミカ、それは…!」
「どうせ、兄さんは私を厄介払いしたくて送り込んだんだ、戻ったって居場所なんてない。かといって、この教会にも…私はきっとここの人たちに害を与えるからいられない。それにね、いろいろ考えたいんだ。今までの自分のこと、父さんのこと、そしてこれからのこと。ゆっくり、一人で。」
「ミカは、本当に、それでいいのか?」
「…うん」
ツカサは、じっとミカの瞳を見つめていた。そして、やがてふっと、息を吐いた。
「…ミカがそこまで言うんなら、俺は君の意見を尊重するよ」
「ありがとう、ツカサ」
ミカは涙を払って、微笑んだ。ツカサはアイテムウィンドウを開き、回廊結晶を取り出すと、「コリドー、オープン」とつぶやく。すると2人の前には、まるでブラックホールのような穴が出現した。
ミカは腕で床を押してゆっくりと立ち上がった。そして、ゆっくりと穴の淵まで足を進める。
「ごめん、ツカサ。またお願いがあるんだけど、いい?」
「なに?」
ツカサに背を向けたままのミカの肩が上がり、大きく息を吸ったのがわかった。
「あの女…ううん、リアに伝えてほしい。あんたが必ずこの世界を終わりにしてって。私たちを、この牢獄から解放してって。…待ってるからって」
不意に、ミカはツカサを振り返る。と、ミカはいきなりいたずらっぽい笑みを浮かべた。
「それと、今度現実で会ったときは、あんたよりも絶対いい女になって、ツカサを奪ってやるって」
「っ!?」
ツカサが目を白黒させている間に、ミカは勢いよく穴に飛び込んだ。
ツカサは、穴が消えて元の床に戻る瞬間まで、ミカの姿が消えた場所を見つめ続けていた。
―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―
すべてが終わり、ツカサが部屋を出ると、すぐ右側にはリアが壁に寄りかかって立っていた。
「どうなった?」
「…彼女が、自分から黒鉄宮に行くことを望んだから…その通りにした」
「、そうなんだ…」
リアは伏目がちで歯切れ悪く言った。
「ツカサ君は、兄さんがミカをここの教会に潜り込ませた理由は何だと思った?」
教会を出て、夜の始まりの街を歩きながら、前置きなくリアは訊いた。
「ミカは、リアに殺されるために送りこまれたって思ってるらしいけど、俺は…違うと思った。確かに今の兄さんはただの一般人を殺して回る殺人鬼だけど、根っこは変わってないと思う。あの兄さんがまだ年端もいかない、しかも親を失ったばかりの子供を死なせに行かせるはずはない。…たぶん、俺たちなら、ミカをそのまま教会にいさせることを選択すると
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