逆襲の挽歌
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(グランバニア城・娯楽室兼練習室)
ピエッサSIDE
最近マリーちゃんの様子がおかしい。
何というのか……大人しいのだ。
いや、それはそれでとても良い事なのだが、何だか不気味で仕方ない。
練習も上の空で、いつも以上に身が入ってない。
次のコンサートの予定だって入っているのだし、こんな状態じゃ問題だ。
多分だが何かに悩んでいるのだろうと推測される。
正直彼女の悩み事に関わりたくは無いのだけれど、私達の活動に支障をきたすので在れば見過ごすわけにもいかないのだ。
一体どんな事で悩んでいるのやら……全く見当も付かない。
だがかなり深刻な悩みである事は予想出来る。
何故なら、あの娘はトラブルがあると直ぐに口に出し、他人に解決策を求める傾向があるからだ。
簡単に例を挙げると……
金が無い金が無いと言い回り、宰相閣下に資金援助させたり、コンサートのチケットを売りさばく方法が思い付かず、その事を声高に言い回り宰相閣下の手を煩わせたり……
兎も角あの娘は自分一人で問題を抱える事はしないはずなのだ。
それなのに練習に身が入らない程何かに悩み、内に隠っているのは絶対に変だ。
出来れば会いたくないが、宰相閣下に聞いてみた方が良いだろう。
私に解決できることであれば、自分の為にも力を貸さないわけにはいかないから。
「あれ? もう来てたんだ」
渋々ながら相方の事を心配していると、この練習室に珍しい訪問者が現れた。
思わず私は持っていた譜面を全て落とし、直立不動で来訪者に向き直った。
「へ、陛下!? い、如何致しましたでしょうか? な、何かマリーちゃ……私どもが致しましたでしょうか!?」
「ううん、違う違う。最近ストレスが多いから、発散の為にギターでも弾こうかなと思って来たの。でも邪魔だったら出て行くけど?」
「じゃ、邪魔だなんて滅相も無い! 陛下のギターを拝聴出来るなんて至福の極みですわ!」
邪魔だなんて言えるわけないじゃない!
いや実際邪魔じゃないし……って言うか、ここ城だから陛下の自由にして良いわけだし。
「ああ良かった。マリーの我が儘に付き合ってもらってるから、君の邪魔だけはしないようにと思ってたんだよね」
「わ、我が儘だなんて……私にとっても良い経験をさせて貰っておりますから、とても感謝しております!」
う、嘘は言ってない……わよ。
「ありがとう。じゃぁ君に面白い歌を聴かせてあげよう。僕が作詞した歌だ」
「陛下の作詞ですか!?」
す、凄い。そんな貴重な歌を聴かせて貰えるなんて。
「最近、とある我が儘娘が僕の周りの者達を侮辱する歌を歌ってる……あ、ウ〜ルポンポンは除外するけど、兎も角侮辱をしている」
「はぁ……」
「なので仕返しにこの歌を思い
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