41話:悪だくみ
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源を買い付けておくと儲けが出そうな状況です。RC社の手持ちもそちらを通じて流したいので、お力添えをお願いします」
通話の相手はフェザーンのワレンコフ補佐官だ。彼は次期自治領主候補No1として頭角を現している。資材調達を帝国内で完結させようとするから無理が出る訳で、帝国の外から持ってくるという手段も取れなくもないのだ。
「しかしよろしいのですか?フェザーンを通してしまえば資材は資材ですが、あちら側の景気を多少良くしてしまう恐れもございますが......」
「補佐官は私を試すのがお上手ですね。5年にも渡ってそれなりの量の資材が輸出されれは、当然あちらでも資材価格は上がるでしょうね。兵器の生産にもかなり影響するでしょう。増産の為の設備投資を行っても、回収には難しい期間です。投資すれば5年後には不良債権化しますし、それを避けるには兵器を増産する必要がありますが、予算も、乗員も足りないでしょうね」
そこまで言うと、補佐官は一緒に悪だくみをする楽しさに我慢できなくなったのか、少し悪い笑い声をあげた。
「貴方がフェザーン人なら、この案件で5年は『今年のシンドバット賞』を受賞できますよ。お生まれになる場所を間違われましたな。因みに今回の件ですが、担当の候補者が2名おります。ザイトリッツ様のご意見を先に伺いたかったのですが......」
「そうですね。今回の一件は、言葉を選ばずに言うと言う事を聞かない我儘な子供をうまくあやしながら進める案件です。ボルテックさんでは少し萎縮されるかもしれませんから、私ならルビンスキーさんにお願いしますね。個人的な要望を聞いて頂けるなら、私とのやりとりの代理人が必要になった際はボルテックさんにお願いしたいので、彼が長期間フェザーンを離れるのは個人的に困ります」
「分かりました。私の方ではルビンスキーでは少しアクが強いかとも思ったのですが、確かにボルテックではあの方々に振り回されてしまうかもしれませんね。ご意見ありがとうございます」
「いえいえ。補佐官もご承知の事ですが、あの方々の気性は幼いころから存じておりますから、お役に立てたなら幸いですね。あと、顧客名簿もかなりそろってきたようですが、お立場がある方だけでなく、色々とご意見をお持ちの方の名簿も欲しいですね。やり方は変える必要があると思いますが、小額でも早めに投資すればリターンはそれなりに見込めるでしょうし」
「承知しました。ただ、立場がない以上、近々に配慮を頂くことは難しいと思います。その点だけご承知いただければ手配いたします」
俺が了承の旨、返事をするとワレンコフ補佐官は通信を切った。少し庭の方に視線を向けるとノックがされ、オーベルシュタイン卿がお茶の用意を持ってきてくれた。
「オーベルシュタイン卿、良いタイミングだ。ちょうど
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