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レーヴァティン
第七十一話 南の港町その八

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「こうしてパエリアに入れたり茹でたりスープにしたりだね」
「そうした料理が多いな」
「生はね」
「日本の伊勢海老程多くないか」
「そうみたいだね」
「まあ魚介類を生で食いたがるのは日本人の好みだな」
 これは魚介類に限らない、日本人は馬や牛もそうだが鶏もそうして食べることもあるしあまりにも新鮮なら豚でもそうする。
「生もの信仰あるよな」
「そうだよね」
「けれどオマール海老のカルパッチョとかもな」
「よさそうだね」
「そうだよな」
 淳二の言葉に頷いて言う久志だった。
「このお店にはないけれどな」
「スズキのカルパッチョはあるけれどね」
「後でそれ頼むか」
 こう考えた久志だった。
「そうするか」
「それもいいね」
「ああ、後な」
「後?」
「フライも食いたいな」
 こちらの料理もというのだ。
「ここはな」
「君前から思っていたけれど魚介類好きだね」
 淳二は久志のこのことを指摘した。
「どうにも」
「ああ、実際にな」
「好きなんだ」
「肉も好きだけれどな」
「魚介類もだね」
「好き、いや大好きでな」
 それでというのだ。
「こうして飲む時もな」
「魚介類肴にしてるよね」
「そういう時多いな」
「生にしても揚げても」
「焼いても煮てもな」
「どれでも好きだよね」
「魚も海老も蟹もな」
 久志は具体的に挙げていった。
「烏賊も蛸もな」
「要するに何でもだね」
「海の、川や湖のものはな」
「全部好きだよね」
「亀や鰐だってな」
 こうした生きものもというのだ。
「好きだしな」
「この前ウミガメ食べてたしね」
 この島では淡水生のそうした亀もいる、ただし湖にいてもこの世界の呼び名もウミガメとなっている。
「あれ美味しかったけれど」
「ああ、好きだぜ」
「そうだよね」
「結局水のものならな」
「好きなもの多いってことだね」
「この海老だってな」
 オマール海老もというのだ。
「美味いって思うしな」
「好きだよね」
「かなりな」
 今は烏賊を食べつつ答えた、既に自分のものの海老は食べてしまっていて烏賊を食べているのである。
「飲む時だってな」
「そうだね、というか飲む時は」
「尚更だな」
「魚介類好きだね」
「肉よりもな」
 こちらよりもというのだ。
「そっちの方が好きだね」
「そうだよな」
「じゃあ今もね」
「楽しく飲もうな」
 言いつつ赤ワインを飲んだ。
「皆でな」
「そうだね、あともっと言えば」
「今度は何だよ」
「魚介類の時は大抵白ワインだけれど」
 こちらの方が合うからだ、赤ワインは肉の方が合うのだ。
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