第3章 リーザス陥落
第111話 ノスの断罪
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すものは誰であっても敵。だが、この時シーザーはまた自らで考えた。サテラには命令はされていない。出来る状態ではない。だからこそ、自分自身で考えた。
ユーリには、サテラを任せる事が出来る、と。
「ワカッタ! サテラサマヲ、頼ム!」
「ぬ…… 小癪な小僧めが」
ガーディアン2人には一蹴するだけ。だが、ノスであっても無視できないのが、この男の存在だった。
ノスは、この世に生を受け、そして魔王ジルより 血を授かり魔人と化して……幾年月。
あらゆる戦争があった。そして魔人戦争。その中で数多の闘神都市を落としてきた。闘神都市を落とし続け、その異名をも轟かせた魔人ノス。……そんな魔人が初めて身体の一部を失った。
我が身の一部を奪った男なのだから。
そして、サテラには深手、重症を負わせたのは違いないが それでも復活しないとは言えない。厄介な存在はまとめて消すつもりなのだ。
だからこそ、ユーリの方へと向かおうとしたノスだったが、それをシーザーとイシスの2人掛かりで止める。
「イカセナイ」
「!」
「この……塵共が!」
「おい、サテラ。お前はこんな所で死ぬつもりか? お前には、戻らなきゃいけない所があるだろ」
ユーリは、ロゼに持たされた(有料)ありったけの回復アイテムをサテラに叩きこむ様に使った。世色癌を口に含ませ、元気の薬で無理矢理流し込む。胃の部分に穴が開いてしまっていて、体外に流れ出そうになっているのを、無理矢理止める。
「ち……、クルックー、セル!」
ユーリは、クルック―とセル、ヒーラーの2人の名を叫んだ。
神魔法の技能を持つ2人の助けがあれば、助かるとふんだのだろう。長年の冒険者としての経験とサテラの怪我の具合。そして 何よりも魔人の生命力の強さだ。ただの人間であれば 手遅れかもしれないが、魔人であるサテラであれば いけると。
だが、セルは動けなかった。
ユーリがしている事に疑問の念が生まれたからだ。
AL教として……、いや 魔人は悪なのは世界の常識。何よりこの戦争の切っ掛けの1つでもある巨悪。ユーリの行動は、 その悪を助けようとする事。神に背くも同意だとセルは感じた様だ。ユーリ以外の人物だったら、きっとセルは直ぐに反論をしただろう。如何に慈悲を、慈愛の精神をもって祈りを捧げるAL教 神官であっても、絶対悪を 神の敵を助ける等とは行えないと。だけど、ユーリだから 今まで皆からの信頼があって、自分自身も心から信頼を寄せる人だったから、即座に否定できず、黙ってしまっていたのだ。
そんな時、全く迷わず行動をする者が。コンマ1秒すら迷わず、行動する者がいた。
「はい。判りました」
一言返事
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