第3章 リーザス陥落
第111話 ノスの断罪
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な。……ジル様の偉大さは誰もが判っている故に。 くく……」
「う、ぐ…… がはっ……!」
ノスは思い切り貫いた腕を引き抜いた。
サテラの胴体部に出来た大きな。ノスの腕は傷口に栓をする役目もあったのだが、それが引き抜かれた事で、塞き止められていたサテラの血が勢いよく噴き出した。懸命に抑えようとするが、最早無意味。穴の開いた桶から水が流れ出る様に、止めどなく流れ続ける。
「が、が……っ」
「サテラサマ!!」
「ッッ!!」
イシスとシーザーが駆け寄ろうとする。
命令を受けた訳でもないが、それでも自分達の意思で2人は走った。2人に僅かにだが存在する自我。サテラの命令のみに反応する道具ではなく、サテラの使徒として、血を受け継いではいないが 使徒として 昇格した瞬間かもしれなかった。
だが、そこにいるのは魔人ノスだ。生半可な力では押し通る事は出来ない。サテラでさえ、一蹴されたのだから。
魔人の中にもランクと言うものが存在している。上位に位置する魔人であるノスと魔人の中では比較的年齢も浅く、下位に位置するのがサテラだ。その使途であるガーディアン2人が敵う相手ではない。
が、たとえ相手が上級魔人であろうと、魔王であろうと、彼らの歩みを止める事は出来ない。
この世界に生を受けた土塊。そして その生を与えたのが 魔人サテラ。
2人にとってサテラとは主人であり、……創造神。例え自分が死ぬ事になっても関係ないのだ。
「ノケ!! ノス!!」
「……!」
初めて明確な敵意を持って、シーザーは固めた拳をノスに向かって振り抜いた。
それと同時にイシスも喋れない代わりに、シーザーにも負けない殺意を込めた手刀でノスに向かって袈裟懸けをした。
だが、その2人の攻撃は全くの無意味だった。眉1つ動かさなかった。纏っていた衣が開け、露出したノスの身体。視るだけで判る強靭な、堅牢な鱗が見えた。
「主の後を追うか……? 玩具共」
ゆっくりと手を上げるノス。
その時だった。
「シーザー!! イシス!!」
背後から、轟音が、咆哮とも言える声量が響いてきたから。
「ノスを止めろッ!!」
その声の主がいったい誰なのか、ノスよりも早くシーザーやイシスには判った。
互いに拳を交えた事のある男。以前の戦いではイシスに至っては楽しかったと言わんばかりの様子を見せたある意味好敵手。
人間達のリーダー格と言って良い男 ユーリだった。
ユーリはいつの間にか、サテラの元へまで駆けつけていたのだ。その身体が地面に崩れ落ちる寸前で受け止めていた。
シーザーやイシスにとって、ノスであろうとユーリ達人間であろうと、どちらも同じだ。サテラに害を成
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