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ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第111話 ノスの断罪
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「まさに思惑通りの行動だ。サテラよ。此処まで予想通りだと、笑えるものがあるな……」


 処分するつもりだったと言う事だ。
 サテラの背後にいつの間にか巨大な影があった。

『魔人、ノスだっっ!!!』

 周囲を囲んでいたリーザス兵が叫んだ。
 魔人の中でも上位に位置する存在であり、人間の世界でも恐怖の伝説として語り継がれている存在だ。故にその巨体を見た瞬間、叫び……結果 全員にノスが現れた事が伝わった。


「ッ、来たな! 全員、防御陣形を取れ!」

 素早く、白将エクスが指示を飛ばした。
 ノスには、魔人には無敵結界と言うものが存在する。悪戯に攻め入っても無駄に命を散らすだけだという事がよく分かっているのだ。

 そして、打ち合わせた通り、先ずはあの無敵結界を斬る事が出来るカオスに頼るしかない。

「ふん。……蛆虫どもの相手をしてやれ。―――骸兵ども」

 ノスは、地面に手を翳した。その瞬間、城床が盛り上がり噴火の如き勢いで下から何かが出てきた。
 その姿はまさに骸。魔人ノスが使う高等術の1つ 死複製戦士だ。

「ぬ! 全員固まるな! 迎え撃て!」


 無限にすら感じる骸兵達とリーザス解放軍達の死闘が今始まった。
 




 そして死複製戦士を召喚し、人間を任せたノスは、貫いたサテラの方を見下ろしていた。

「が……はっ……  の、のす…… なに、を……」

 腹部を貫かれたサテラは口から血を吐きながらも刺した男、ノスを睨みつけた。

 魔人も急所を貫かれれば絶命する。厳密に言えば、その身体は消失し魔血魂となってしまうのだ。そうなっていないというのであれば、急所は外しているという事が判る。ノス程の実力者であれば、背後から隙だらけの身体に一撃を入れるのに急所を外してしまう、何てことはあり得ないだろう。……つまり、簡単に殺さない。というのが読める。そう、永く苦しめ、甚振ろうというつもりなのだろう。


「……お前は所詮はホーネットの飼い犬の域を出んと言う事だ。が、処分するのが早まっただけとも言えるな」
「な、に……?」


 サテラの目に籠る殺気。背後から刺された事もあるが、何よりも自分達を騙したどころか、ホーネットまで騙した事による怒りがサテラの目に集中する……が、それがまるで子供の癇癪であると思える程の差。絶望的で果てが見えない程の差が、ノスの表情に見えた。



 ノスは抑えきれんばかりの殺気を放つ。かぶっていた頭巾をゆっくりと取り外した。



「……我が真なる主を永く苦しめ続けた。それがあのガイだ。その罪は重罪。万死に値する。……そして ホーネットを、それに組する者全てを命をもって償わせる。ケイブリスらは 直ぐに首を垂れるであろう
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