第3章 リーザス陥落
第111話 ノスの断罪
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張するリアとの小競り合いも今後続いていくのだろう。……ランスは好色家。相手が美人であれば、可愛ければ 誰でも抱こうとするから それを見たユーリは軽く笑うともう一歩足を前に出した。
こんな状況で気楽過ぎる、と思われるかもが主力のメンバー全員が臨戦態勢。警戒度Maxだから問題ない。それにランスがいたら大体こんな感じで真剣さ等傍から見れば皆無だから。 ただ、やる時にきっちりやる。それだけだ。
「ゆー……り」
此処で初めてサテラが声を発した。
横で控えているシーザーとイシスは何も言わない。(厳密には喋れるのはシーザーだけだが)戦闘態勢にもなっていないから 戦え、と言う命令も下っていないのだろう。
「………」
サテラの声を訊いた。それは いつになく弱弱しい。今まで訊いた事の無いものだった。
「サテラは、サテラは……とんでもない、事を…………」
涙目になり言い続ける。
とんでもない事、と言うのは間違いなくジルの事だろう。してきた事の結果。全ての結果が――旧世代の魔王復活と言う最悪の展開となってしまったのだから。
それは、サテラにとっても同じ事だろう。心から忠誠を誓い、親愛さえしているのは ホーネットだ。相手が魔王である以上、言う事は全て絶対だ。先代魔王の娘であるホーネットがどうなるか、どうなってしまうのか、……考えるまでもない。
サテラの様子がおかしい事は ユーリ自身も気付いていた。だからこそだ。ランスを眠らせる。フェリスの言う様に戦力ダウンさせると言う最悪の行為をしたのだ。サテラと一戦交える展開になるとは思えなかったからだ。勿論、戦闘になったとしてもすぐに解除できる備えはしているが。
ユーリは、そのままサテラの方を見た。やや表情を俯かせているサテラを見て確信した。
「サテラはどうしたいんだ?」
「……っ」
そして サテラに問うユーリ。
正直 その姿は複雑――と言う女性陣もいるが今は何も言わない。サテラとは戦わなくて済む可能性も見えたからと言うのも大きいだろう。
サテラは意を決し、魔人としての本能をもどうにか抑え込んだ。魔王には絶対服従……と言う血の契約を。ジルは 魔王としての血が遥かに薄くなっているから、と言う理由も当然あるが、それでも魔王は絶対だと言う事は一目みただけで判った。それ程まで圧倒的な差だったからだ。
だが、それでもサテラは抗った。血の契約に、呪縛に抗った。
魔王より…… 元魔王よりも大切だから。
「サテラは、サテラは…… ほー、ねっ……ッッ!!!」
そして、最後まで口にする事が出来なかった。
サテラが口にするその内容は、とある者にとっては判りきっているから。背徳であると言う事。そして元々――。
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