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流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
74 The Day 〜中編〜
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かるわ」
「何?」
「本物か偽物かを調べさせてもらう。それと引き換えにこれを渡す」

ハートレスはシドウに向かって本を投げた。

「おっと!何だよ、これ。『行動経済学・入門と実践』、これ読んで勉強しろっていうのか?」
「中身」
「ですよね。ん……これは?」

本は表紙だけで中には現金とギガクラスのバトルカード、グロック17と替えのマガジンが入っていた。
現金はちょうど500万ゼニーはある。
国外に逃亡することを考慮しても当分の逃亡生活には困らない額だ。
そしてギガクラスカードが25枚、一度の戦闘で使えるのはせいぜい1枚が限度だろうが、不利な状況に追い込まれた際にも非常に大きな武器となる。

「現金とカードはありがたいが……たったこれだけでValkyrieと戦えっていうのか?」

普通の敵が相手なら十分どころか、雲泥の差をつけて勝利できるレベルの装備だ。
だが今回の相手はValkyrieだ。
装備や兵器といった分野のプロフェッショナルであり、紛争地域ではValkyrieの兵器を手にしたものがほぼ勝利するとまで言われている。
大量のギガクラスカードを手にしたことで戦力は大幅に増したが、そんな組織が相手ではまだ分が悪い。
特に人数の面でかなりのハンデがある。

「まぁ、普通の電波人間ならともかく、あなたは戦える時間に制約があるようだし、せっかくのカードが宝の持ち腐れになるかもしれないわね」
「それ以上に頭数が俺一人じゃ話しにならないだろ。確かにこれだけのカードがあれば、今回の主犯である安食が相手でも短期決戦なら優位に立てるだろうが」
「街中に奴の部下がいるから、体が幾つあっても足りないわね」
「そうだ。だからディーラーの連中の力が必要なんだ。こっちも数で対抗しなければ主犯だけ倒しても結果は悲惨なことになりかねない」
「ご心配なく。あなたは安食との戦闘だけ注力してくれればいい」
「なに?」

シドウはハートレスの言葉に耳を疑った。

「あなたの言う通りなら、Valkyrieはこの街で何かを起こそうとしている。でもこの街が無くなったらディーラーだって痛手。だからディーラーはあなたとの取引に関係無くValkyrieに対抗するでしょう」
「じゃあ……」
「街中にいる安食の部下はこっちが食い止める。だからあなたは安食を確実に葬りなさい」
「……交渉成立か」
「そういうことね」

シドウは一呼吸してから、修正パッチをハートレスに渡す。
そしてハートレスはそれと引き換えにカードキーと時計を渡した。
カシオのF-91W、非常に低価格ながら耐久性や機能性に定評のあるモデルだ。
シドウは首を傾げながら、その二つを受け取った。

「ダウンタウンのホテルのルームキー、ディーラーが武器庫に使っている。今渡
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