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流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
74 The Day 〜中編〜
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、やはり凄まじい戦闘力です』
「あぁ、やはりヨイリーの婆さんが世に出さなかったのも分かる」
「一体、何の用?」

ハートレスはシグザウエル・P226をシドウに向ける。
シドウはすぐに両手を挙げた。
だがシドウにはハートレスに撃つ気が無いことも分かっていた。

「トラッシュといい、お前といい、えらく酷い歓迎だな」
「歓迎なんかしてないもの。でもクインティアがいたら今頃、あの世で歓迎されていたでしょう」
「……」
「……」

ハートレスの笑えないジョークにその場の空気が凍りついた。
シドウは気まずい顔でトラッシュと一瞬だけアイコンタクトを取る。
だが互いに黙り込んでいる余裕は無かった。

「だが、まずは少し安心した」
「何がよ?」
「まずお前がいてくれたってこと。あとトラッシュがいるっていうことは、アイツもここにいるってことだろ?」
「あの子に用があるの?」
「預かってきたものがある」
「何を?」
「スターダストの修正パッチだ」

シドウは両手を上げたまま、右手に握られているパッチを見せた。

「何故あなたがそんなものを?」
「ヨイリーの婆さんから預かった。詳しいことは分からんが、こいつを使えば、バグが修正されて、身体に掛かる負荷も減り、本来の性能が発揮できるようになるらしい」
「そんなものをわざわざ届けて、あなたに何のメリットが?」
「取引がしたい」

シドウはいきなり本題に入った。
自分はディーラーにとっては裏切り者だが、この世界の住人は基本的に個人的な感情より利害関係で動く。
現状では想像もつかないが、両方の利害が一致すれば、対立しているディーラーとValkyrieでさえ手を組むことだって十分にあり得るくらいに狭く単純な世の中だ。
集団としての利害を優先し、個人的感情を極力排除する点においては、中途半端に個を際立たせる政府や軍隊よりも合理的かつ効率的なのかもしれない。
基本的に敵か味方のどちらかに区分できる。
非常に単純明快なのだ。
こちらが今のディーラーに利益になるものを提供すれば、こちらの利益になる要求ができる。
まして自分が抜けたことで弱体化したディーラーの戦力を十分に穴埋めできるスターダストがより安定して運用できるようになるパッチというカードを持っている分、交渉においては優位に立てると踏んでいた。

「取引?」
「既に知ってるかもしれないが、今の俺はサテラポリスから追われてる身だ。無能な新課長のお陰でな」
「サテラポリスを怒らせたくらいなら、まだ可愛い方でなくて?この状況なら私たちに頼らずとも十分に逃げられるでしょう?」
「別に逃がしてくれっていうんじゃない。Valkyrieを倒すのに戦力が足らないんだ」
「あなた…1人でValkyrieを倒すつもりなの?」

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