18.奥の院での死闘(前篇)
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いが、孔雀の指に落ちた雷は、まるで大刀の刃のような形となっていた。
「そこか!!貫け、雷帝」
孔雀は、風伯の姿を完全に捉えて、一気にその雷の刃を振り下ろした。
その光景は、まるで大地に突き刺さる雷の槍で竜巻を切り裂いたかのようだった。
その一つの要因が、王仁丸が放った土雷にあった。
孔雀の狙いは、こうだった。
土雷を地に這わせておく事で電気のプラスとマイナスのように干渉しあい強力な力で幽白を打ち倒す目的だった。
それが、まんまと功を奏した。
「ぎゃぁあああああ!」
風伯は、悲鳴をあげ、今まで以上に黒焦げになって横たわっていた。
「終わりだ、風伯」
虫の域になって今にも死にそうな風伯に、王仁丸と孔雀が近づいて行った。
「お、おのれ。孔雀、王仁丸」
風伯は、すでに抵抗できないことを自らわかってはいたが、それでもなお、反撃のチャンスをまった。その時、風伯の目にとまったのは、月読の姿だった。
「月読ぃぃぃぃぃぃぃぃ」
風伯は、最後の力を振り絞って月読に襲いかかった。
「月読様!!」
孔雀と王仁丸は、完全に虚を突かれた。が、月読が襲われそうなところにアシュラが割って入って、手に持っていたヌンチャクで風伯を地にたたき伏せた。
「あんた、いい加減にしなよ」
アシュラは、風伯の顔をむんずと掴むと、その手に全力の気を込めた。
「もえちゃえーー」
アシュラの目が金色に輝くと猛烈な炎が、手から現れて、風伯を覆いつくした。
「お、おのれぇーー」
風伯の存在は、跡形もなくなった。
「はははは」
「凄ぇなぁ、おい」
孔雀と王仁丸は、顔を見合わせて苦笑した。
「よし。さぁ、行くわよ、孔雀、王仁丸」
アシュラは、ハンカチを取り出し、両手を拭くと月読の手を引いて歩きだした。そのあとに、頭をぽりぽりと掻きながら孔雀と王仁丸が続くのだった。
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