18.奥の院での死闘(前篇)
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、刻まれ血が噴き出した。
「フハハハハ。どうだ、孔雀、王仁丸。われは、すでに風と一体になることができる。手も足も出まい」
風伯の両腕は、大鎌になっていた。
「ふん。あんなこと言ってやがるぜ、孔雀。化け物風情がよぉ」
片膝をついて血反吐を一つ噴き出して王仁丸が、風伯をにらみつけた。
「あぁ、王仁丸。いかに以前は人格者だったとはいえ、最早、闇に落ちた者を許すわけにはいかない」
孔雀もまた風伯を睨みつけた。
「ふははは。ならば、来い。孔雀、王仁丸、お前たちを喰らってやるわぁ」
風伯は、再び回転を始めた。
「やるぞ、王仁丸。臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前」
孔雀は、素早く九字をきり、手に気を込めると、まるで光の刃となったかのように手が輝きはじめた。そして、素早く風伯の元へ走りだし、天高く飛んだ。
と同時に、王仁丸は、鎖で繋がれた大斧を振り回して走りだした。
「はぁあ!!」
気合一閃。孔雀が腕を振り下ろした。
「管ばりやがれぇ」
王仁丸もまた、振り回していた大斧を風伯に投げつけた。
二人の攻撃で、風伯が十文字に切り裂かれたように見えた。が、その攻撃が、全く効いてないかのように竜巻となった風伯は、元に戻っていった。
「そんなもの、私には効かぬ。お前たちは、私に手も足も出ず死んでいくのみだ」
風伯は、竜巻となり、再び孔雀と王仁丸に近づいてきていた。
「くそったれ!!」
王仁丸と孔雀は、間一髪でその攻撃をかわした。
「どうするよ、孔雀。このままじゃ、奴のいう通りになっちまうぞ」
王仁丸は、孔雀に向かって怒鳴った。
(確かにそうだ。が、方法は、あるはずだ)
孔雀は、頭をフルに使って方法を考えた。
「王仁丸、土雷を放つ準備をしろ」
孔雀は、王仁丸に怒鳴った。
「土雷を?どうするつもりだ、孔雀」
王仁丸もまた叫んだ。
「いいから、早くしろ。風伯を倒す」
孔雀は、風伯を睨みつけた。
「わかったよ。なにか策があるんだろう?お前に乗っかるのは癪だが、やってやるよ」
王仁丸は、呪文を唱え始めた。
「天の御柱、地の御柱、闇より来りて我に従え。来い、我が神の生死をも支配する黄泉の八雷神の一匹・土雷」
王仁丸が、天に向かって叫ぶと、雷鳴が轟き、王仁丸の体を貫いた。すると、王仁丸の右手には、強烈な雷の塊が現れ、それは、まるで口を大きく開けた鬼のような顔に見えた。
「オン・マユラ・キタデイ・ソバカ。孔雀明王延命飛行呪」
孔雀は、孔雀明王の印を結び唱えると天高く空へ飛んだ。
「イー!!ナウ・マク・サンマンダ・ボダナン・インダラヤ・ソバカ」
そして、雷帝・帝釈天の真言を唱えると孔雀の指が避雷針のような役割をしたかのように雷が落ちた。
普通の人間なら一撃の元に死んでしまうかもしれな
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