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孔雀王D×D
18.奥の院での死闘(前篇)
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 王仁丸は、護符のような紙片を地に落とすと、その紙片は、鬼となった。
「行け。亡者共を粉砕しろ」
 王仁丸が使役した鬼どもは、軽く王仁丸に頷くと、まるで風のような速さであちらこちらから湧き出る死人達を殴り、引き裂いて行った。
「行くぜ、孔雀。もたもたするなよ」
 王仁丸もまた、斧を振りかざし、気合の声を発しながら、死人達を叩き割って行った。
「孔雀、私も先に行くよ。お姉ちゃんと一緒にゆっくり来てね」
 アシュラは、いつの間にか両手にヌンチャクを持って振り回していた。
「アシュラ、また、そんなの引っ張りだしてきて。お前、大丈夫なのか?」
 孔雀は、アシュラの姿を見て、あきれるように言った。
「大丈夫、大丈夫。あらかた王仁丸が、やっけてくれてるだろうから。それに、今は、私の方が孔雀より強いかもだし」
 アシュラは、にっこりほほ笑んだ。
「お、お前ね・・・・」
 孔雀は、ため息をついた。
「アシュラ、気をつけてね。女の子なんだから、怪我をしないように。傷物になっては、お嫁にいけませんから」
 月読は、何を言っても聞きそうにないアシュラの動向に気を使うように言った。
「あっ、それも大丈夫だよ、お姉ちゃん。
 孔雀がもらってくれるから」
 アシュラは、しれっと言い放ち、笑った。
「わかった、わかった、早く行けよ。でも、無理はするなよ」
 緊張感もなにもないアシュラに呆れてはいるが、アシュラもまた、アルマゲドンを生き残った娘だった。
「うん、わかった。孔雀も早く来てね」
 アシュラは、ヌンチャクを振り回しながら、闇の中へと入りこんで行った。
「さぁ、行きましょうか、月読様」
 孔雀は、月読の手を取り、アシュラや王仁丸の後を追った。

 先に行っていた王仁丸は、死人共に囲まれていた。
「ちっ、きりがねぇ」
 王仁丸のスタミナを以てしても、次々を湧いて出てくる死人達。
「もう、面倒くさぇ。行くぜ、式鬼共、神威如獄 神恩如海。
 くらいやがれ、式鬼烈風陣」
 王仁丸は、わざと死人共を自分の周りに集めた後、自分を中心にまるで台風の渦のようを作るかのように式鬼達を使った。
 死人達は、その物凄い威力に、ばらばらに切り裂かれ、王仁丸へ集まって来ていたものは、ほぼ全滅した。
「王仁丸ぅ!!」
 王仁丸の後ろの闇の中の遠いところから女の声で自分を呼ぶ声が聞こえてきた、
 王仁丸は、目を凝らして闇を見つめると、ヌンチャクを両手に持ち、振り回してくる一人の少女が近づいて来るのが、見えた。
「やっと追いついた」
 少女は、息を切らして王仁丸に言った。
「なんだ、アシュラじゃねぇか。よく追ってこれたな?」
 今にも座り込みそうなアシュラを見下ろして、王仁丸は言った。
「なんだとは、なによ。私だってやるときはやる
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