第七章 C.D.の計略
戦いの行き先
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ロスはこの俺を撃破できるだけのエネルギーを纏った蹴りをブチかますだろう。
そう、この時点での電王の勝利は普通ならまず動かない。
だが、この男がそんな冷静な思考をしているのには理由がある。
ファウストの放ったフルチャージ「ドリルホーンブラスト」は、確かに電王によって、その刀身を犠牲にしながらも逸らされた。
だが、決して地面に当たって止まったわけでもなければ、刀身を砕いた程度でそのエネルギーを使い果たしたわけではない。
少し軌道を逸らされただけで、放たれた槍の先端はまだ生きている。
ファウストの思考が、現実に追いつく。
目の前で、電王が一歩踏み出している。
槍を左に逸らし、回転。
左脚をつけ、さらに右足で踏みとどまるも、体勢はまだ崩れている。右手でなんとか支えている。
ファウストのよそうなら、ここから二、三歩でこちらに到達する。
(三歩・・・いや、二歩目で大きく、飛び出すように飛び出してくると見た!!)
そう見積もったファイストの手の中で、槍の柄がクンッと手前に引かれる。
電王の左後方、ファウストから見ると右前方方向で、向こうに向かって飛んでいた槍の先端がビクン!と一瞬で反転し、その切っ先を電王の背中に向けた。
電王の上体が起き上る。
地面に接地した右手が即座に動き、手首の力だけで崩れた上体を起き上がらせる。
同時に、次の足が前に出る。電王の左腿が上がる。
狙いを定めた槍の先端。
電王の背中に狙いを定め、折り返すように飛び出した。
ファウストに迫る電王の後を追うような形だ。
その電王は、上げた左ももが降り、足が地に付いたところ。
一歩だ。
次の一歩で電王は跳ね、一気に自分のもとへと飛び掛かってくる。
現に今、右足が動きながらその左手にはライダーパスを握っている。
踏み込みながら、前へ。
(大した奴だよまったく)
思考は一瞬。
そんなことを、ファウストは感じていた。
考えるまでもなく、そういった思考を抱いていた。
槍の先端は進む。
後を追うために多少は進ませるが、そこまでだ。
むしろ、このままのタイミングがいい。
自分に蹴りかかろうと、その右足を踏み込み飛び出したところを、ちょうどよく刃で背中から撃ち抜く。
ファウストの予想通りに、電王は右足を踏み出し、地面を蹴る。
槍の先端は、背中ギリギリまで到達している。
その後、左脚は地に付かず、右足はその全駆動力を駆使して身体を跳ねさせ、一瞬で決められたフルチャージの電工を纏ってファウストへと迫る。
だが残念。
その跳躍の直後にお前は背を貫かれて墜ちるのさ。
だが
「ゥおらぁ!!」
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