第23話。死徒と使徒。
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をするたびに気管が痛む。
そんな中で晋吾はいた。地面もない所に彼はいた。シオンを出来るだけ外気に当てないように抱きかかえながら、灼熱のマグマを『走っていた』
沈む前にマグマを蹴り、足を出す。水の上ですら走れる彼にとって粘性が高いマグマの方が容易であったが・・・・
靴は溶け、魔力に覆われた足は『炎症』をおこして痛みだす。ここまで来れば分かる。
落ちたらシオンは確実に死ぬ。おそらく、俺でも・・・・
魔力で覆っている晋吾にとってみればマグマは兎も角、この『紅蓮地獄』の熱気はどうということはないが、シオンにとっては致命傷になりかねない。
しかし、今だにシオンはその白い肌を保っている。これは晋吾が咄嗟に張り直した魔力によって『シオンごと』覆って守っているのだ。
だが、晋吾とシオンの表情は優れていない。この状況で襲われでもしたら・・・・
スフィアの姿は見えない。探す晋吾。それに答えるかのように
マグマの中から姿を現す。
白目まで紅蓮に染めた眼まなこはまさに化け物そのもので、マグマの中から来たにも関わらず、何も変わっていない服が異常感を漂わらせていた。
そんな彼が手をかざすとマグマから、5つの竜の頭を模したマグマの竜が首をもたげる。
「行け、熔解せし火竜よ!」
迫りくる火竜。避けようとするもマグマが地ではうまく動けない。
「晋吾!離してください!!このままでは二人ともっ!!」
「・・・・っ」
晋吾は一撃必殺の意を決して、シオンを高々と放り投げる。そして強く蹴りだし一撃を・・・・
ボコッ
そんな音が時が止める。シオン、晋吾ですら驚愕の表情。足場として使ってきたマグマが、音とともに気泡と化す。
それは地面がなくなったのと等しかった。
「ここは余の世界。勝手に地に足をつけてはならんぞ?」
スフィアの会心の笑みに「糞が。」と悪態をつきながら、晋吾は灼熱のマグマに身を抱かれる。
「晋吾――――――!」
シオンの絶望の声は晋吾には聞こえない。相棒は灰と化し、服は燃え、毛が焦げる。晋吾はただマグマに沈むだけでなく、スフィアが生んだ火竜の体当たりをうけ、体を痛めつけられる。
だが死ぬほどの痛みであるが『死』と言う言葉はリアリティにかけていた。
晋吾は『寿命』と言う言葉を信じている。病気、事故、老衰。死因は違えど死んだらそれが寿命であると。
かつて死んだ晋吾が冷静でいられたのは、晩年であったことも一つの理由にあるが、死んだと言うことは「寿命であった」それだけであった。
いままでの彼であったならば、この場は寿命が来たと言って諦めていただろう。
ここが死に場と言っても過言ではな
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