40話:小さな騎士たち
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君も昨年から屋敷に通ってくるようになったワルター君も幼いながらに片鱗を感じる。
「オーベルシュタイン卿は優秀だから、手伝ってもらうのは助かるし、あてにもしているのよ?ただ、私が11歳だったことはガーデニングに興味を持って庭いじりをしていたから、これでよいのかと不安になってしまって......」
「奥様が他家の淑女の皆様と少し違う道をお選びになり、結果として、RC社の重要な事業のカナメとなられました。幼年学校はしっかり励んでおりますし、私の将来が拓くきっかけになるかもしれません。お気遣いはご無用に願います」
「わかりました。この件はもう私からは言わないわ。その代わりちゃんと休憩には付き合いなさい。さすがにあなたが仕事をしているのに、私だけお茶を飲むわけにはいかないもの」
そう言ってからメイドにお茶の用意を頼む。
「今日はスイーツを用意してあるの。お義祖母様もワルターたちと食べるはずだから、休憩を兼ねて楽しみましょう」
それにしても私たちの嫡子、アルブレヒトはかなり優秀な先輩に囲まれて育つことになるけど大丈夫かしら。ただ、長男が生まれ、そのあとに急に3人も子供が増えたような状況だが、永年一緒に過ごしていたかのような気安さがある。そこで気が付いたのは、夫も私も、3人の幼い子たちも両親をしらずに育っていることだ。夫は特別扱いはしなくて良いと言うが本当に良いのだろうか。良き母という物を知らない私は、祖母が私にしてくれたようにしか接する事が出来ない。基本的に甘くなってしまうのに。一度、夫とも相談しなければならないだろう。お茶の用意を待ちながら私はそんなことを考えていた。
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