戦闘評価2
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う。責任者として罰は受けなければならない」
「アップルトン中将。責任を感じるのは立派だが作戦自体は間違っていなかったと、先ほど結論が出たのではなかったか。それとも会議を最初に戻して、作戦の評価を変えるか」
「それは詭弁だろう」
「詭弁でも良いではないか。多くの部下をなくし、責任の所在を求めるビュコック中将の言も理解できる。だが、そもそもの政治判断が今回の作戦を成功と認めている以上、軍内部で無駄に悪者を作る必要はないのではないかと言っている」
「無駄な悪者というのでしたら私も何も言いません。だが、部下からの進言を無視する参謀がいれば、今後は参謀自体を信じられなくなるといっている。そう思うのは私だけですかな」
問いかけられたように視線を向けられたのはグリーンヒル中将だ。
穏健派とも言っていい彼は、ビュコックやロボスの強い発言に口にしていなかった。
「正直なところ。今回の件については、私も予測はしておりませんでした。いや、実際に参謀としての立場にいるときにこの進言を受けた場合、どうしていたか、今断言はできません。なにせ、トイレの排水の調子が悪いとかまで細かいことが参謀には上がってきますから」
少し笑いを含めて、周囲を見渡した。
「主任参謀の経験もありますので、アップルトン中将の立場もわかります。それを全てあげていれば、主任参謀などいらないことになってしまいますし、それこそ重要な情報が目立たないことになってしまうでしょう。ですから、私は誰が責任といったことよりも、むしろ気づいた士官をもっと厚遇してもいいのではないかと考えます」
ロボスが鼻を鳴らした。
「兵卒上がりのビュコック中将は表彰よりも実を求めているように思われるが、表彰ともなれば国の祝賀にも呼ばれ、そこで上層部と知り合いになる可能性も高くなる。まだ士官学校卒業して数年の若い士官にとっては非常に有意義なものになると思うがね」
それはロボスにとっては、喉から手が出るほどに欲しかったもの。
もっと先に上層部とのコネクションを作っていれば。
「苦労をして、その上にご機嫌取りをしろと。ばかばかしい」
「ばかばかしいとはなんだ」
だから、次に続いたビュコックの言葉は許せなかった。
立ち上がったロボスの言葉を制するように。
「少しいいかね」
緊迫した空気の中でのんびりとした声が漏れた。
コートニーの穏やかな言葉に、向かい合っていた者たちも言葉を抑えて黙った。
ロボスが居心地悪げに座る。
「皆の意見は聞かせてもらった。そこで……私の意見を言わせてもらおう」
+ + +
短いながらも、誰もが喉をからした会議が終了した。
結局のところ、決定するのは統合作戦本部長であるコートニー元帥の意見によるところだ。たとえ不満が残るこ
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