戦闘評価2
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。
ロボスは小さく笑み、次をめくった。
情報参謀については、議論すら行われてはいなかった。
情報参謀の部内会議――会議と呼んでも良いものか、ミーティングで意見具申があった。
それをビロライネン大佐が無視をした内容が書かれていた。
こちらについては、先ほどの作戦参謀よりも遥かに罪は重い。
検討したうえで却下としたのか、あるいは検討すらされなかった違いである。
だが。
対象となっている人間の名前を見れば、成績優秀な者たちばかりだ。
今後はさらに同盟軍の中枢――数年後には司令官や所属の上に立つ人間であろう。
いずれロボスが一番上に立った時、それぞれの部署の長として働いてもらう可能性が高い。
今回、意見具申した人間の姿のプロフィールを見れば、どれも若く階級も低い人間。
数年後では、どれほど成績が良くても艦長や分艦隊司令がせいぜいであろう。
どちらを味方にするかなど、考えなくてもわかる。
それに、忌々しい話だがあいつが学校長時代の学生ばかりだ。
視線をあげれば、手洗いのために退席していたジェフ・コートニー統合作戦本部長が着席するところであった。
わずかな休息の終わりを、コーネフが伝えた。
+ + +
「では、次に敵の攻撃に伴う状況評価です」
コーネフが緊張とともに声を出した。
休憩と言ったのは、実際には彼自身が落ち着くことを目的としていたのかもしれない。
彼のいた人事課でも最ももめると思われたのが、この場面であったからだ。
事前に味方殺しが察知されてなかったなら問題はない。
先の戦闘報告の様に、味方殺しはそもそもわからなかったから問題がない。
それだけで済むからだ。
だが、それが事前に考えられ――おまけに対抗の策まで考えられていたとするならば。
その評価はどうすればいいのか。
本来ならば評価されるべきだ。
敵の予測を読み、その対抗まで考える。
だが、そうすれば――別の問題が発生する。
それが、事前になぜわからなかったのかと。
評価すると同時に、罰が発生する。
通常であれば人事課が、統合作戦本部長に方針を報告すれば、それが決定として、この戦闘評価会議は追認されるだけで終わる。
だが。
ジェフ・コートニーは今回については、事前の決定を下さなかった。
戦闘評価会議で決めるべきだと。
本来であれば、それが正しい。
だが、それらは前例がほとんどないことであって、コーネフの胃を痛めた。
「今回の作戦参謀の評価ですが」
呟いた言葉に、続いてコーネフは唾を飲み込んだ。
同時に緊張が生まれる。
「人事といたしまして……」
その後に続く言葉は、コーネフは一瞬の躊躇を見せた。
事前に
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