機動戦士ガンダム
2175話
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、それ程の技量を持つルリやラピスでも、連邦軍の内部でMS開発をしているという情報の確証を得る事が出来ない。
考えられる可能性があるとすれば、セイラが行った建国宣言を始めとして、何度か行われた地球圏に向けた演説。
あれによってルナ・ジオンが……そして背後にいるシャドウミラーが持つハッキング能力の高さを予想し、それに対処したという訳だ。
それも、コンピュータにデータを残すのではなく、紙を使うといった手段で。
それでも完全にデータを消す事は出来ず、それをルリやラピスが拾い上げた……といったところか。
連邦の中にも、出来る奴がいると、そういう事なのだろう。
「アクセル代表? どうしました?」
「いや、連邦がこれからどう動くのかと思ってな」
「あ、あはは。それはもう、ルナ・ジオンとは仲良くやっていきたいと思っていますよ」
俺の言葉が意外だったのか、男は慌てたようにそう言ってくる。
だが……その目の光の中に、こちらを見下すような視線があるのが見て取れる。
もっとも、そのような気分になってもおかしくはない。
連邦という存在は、このUC世界の大半をその支配下に置いている。
そんな連邦にしてみれば、ルナ・ジオンやシャドウミラーといった相手は、その軍事力は脅威であっても、政治的な意味ではそこまで脅威はないと判断しているのだろう。
……もっとも、既に連邦の上層部とルナ・ジオンやシャドウミラーの政治班は接触して極秘裏に様々な交渉を行っている。
特に連邦にしてみれば、ジオンに占領されたグラナダやハワイをルナ・ジオンが占拠――ハワイは譲渡と言うべきだが――したのは、気分が良かったのだろう。
とはいえ、連邦にしても月をルナ・ジオンが押さえたのはあまり面白いことではなく、フォン・ブラウンを始めとした月面都市に関しては交渉中なのだが。
「そうか。なら、こっちも仲良くやっていければと思ってるよ。もっとも……ルナ・ジオンの国是たるスペースノイドの独立に関しては、色々と問題もあるようだが」
「そ、それは……」
言葉に詰まる男。
まぁ、連邦はコロニーを半ば植民地とする事で、そこから資源とかを仕入れている。
それだけに、スペースノイドの独立などという真似をそう簡単に許容は出来ないのだろう。
もし連邦がスペースノイドの独立を認めた場合、間違いなく地球は干上がる。
そもそも、何故このUC世界においてコロニーが作られ、宇宙への移民――率直な表現だと棄民――したのかと言えば、それは地球にある資源が底をつき始めたからというのが、大きな理由だ。
そして、今は地球に資源が少なくなっている分、それをスペースコロニーで用意している訳だ。
勿論、地球の資源が完全に枯渇した訳でもないのを考えれば、まだ地球にある資源を有
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ