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汝(なれ)の名は。(君の名は。)
13リーディング
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続け、東南アジア辺りから連れて来られた奴隷兵が、その爆発の中を上陸させられて行くニュース映像が流れ、職員も生徒も見入っていた。
「戦争よ、もうお終いだわ」
「こんな酷い歴史に……」
 それでも植民地の殆どが抵抗もしていないのと、世界大戦と呼ぶほどの大戦争が起こっていないので案外死者と餓死者が少ない。
 元々生まれて来なかったし、社会主義という壮大な実験が行われなかったので、独裁者が出現せず、粛清の嵐が吹き荒れなかった。
 ロシア領のアジア人は民族浄化で死に、東南アジアでもゴムの木のプランテーション農場で脱走者は死に、インド人奴隷は昔と同じように綿花栽培から紡績工場での重労働が嫌で、自分で指を切り落とすほどの苦痛を抱えていたが、死者数は少なかった。
 アフリカ人は元々増えなかったのと、農耕生活による安全で暴れない人物だけの淘汰が行われいないので、そのまま民族浄化される。
 従順なアジア人か、新しく奴隷にした中国人がアフリカの管理に送り込まれる。

 ロシアのアネクドートに、グルジア(現ジョージア)でスターリン像が建設されたのを喜んでいる人がいたので話し掛け「あれだけロシア人を粛清して、何の罪もないロシア人まで強制収容所に送った奴の像が建てられたのに、なぜ喜んでいるんだ?」と問いただすと「あれだけロシア人を粛清して、何の罪もないロシア人まで強制収容所に送った奴の像が建てられたから喜んでいるんだ」というブラックジョークもある。
 ヨシフスターリンはグルジア出身なので、そちらのジョークも含まれている。

「すまぬ、ヨツハの奴には話は通ったはずで、天然痘ウィルスは撒かれないはずなのだが?」
 まだ、諏訪に入る前に邪馬台国の軍勢が追い払われ、聖地出雲奪還の聖戦が国内で延々続けられたらしく、国内の消耗戦と人口低下で、日本国は成立しない歴史が継続していた。
「一度、部室に集まりましょうか?」
 担任の言う通りに部室に行ったが、クラブハウスのような贅沢な建物も無くなり、バラックの様なプレハブ小屋やコンテナが並ぶ、みすぼらしい場所に変化していた。
 怪奇現象研究部も、シャーマニズム的な予知、リーディングしてアカシックレコードに接続するなどの妖しい研究をしていたが、コックリさんなどを無断でやって狐憑き悪魔憑きになるような危険な遊びをするよりは、正しい予知や祈祷をするのが推奨されていた。
 職業訓練まではしていないが、予知能力が高い者は、出雲系の神社に就職して巫女になれる可能性もある世界線に来ている。

「シヨウさん、あなたの力でリーディングをしましょう」
 怪奇現象研究部の部長の女子から提案を受ける。
「む? リーディングとは何じゃ?」
「予知とか口寄せよ、アカシックレコードと呼ばれる、この世の出来事を記憶している場所に繋がって、様々な
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