39話:会議
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いる企業に就職されるのも面白くない。そこで辺境自警軍の立ち上げを考えたわけだ。背景としてはいくつかある。
まずは、実際に治安の問題だ。今までははっきり言うと数字だけで見れば辺境は貧困地域だった。ただRC社の投資をきっかけに開発が始まり、イゼルローン要塞の資材調達のおかげで現在では中間層の中でも少し上くらいの層になった。結果として、良からぬ連中から見ても旨味が無くもない地域になったわけだ。軍や政府に働きかける手段もあったが、そうなるとこちらも譲歩することになるので避けた。
次は、次世代艦への更新だ。今年度で7個艦隊が更新済みとなるが、旧式戦闘艦が余る事態となっている。分解して再利用してもいいのだが、分解費も決して安くないし再利用するとその分資源消費が減ることになるので、なら旧式艦の引き取り先を作ってしまおうというと考えた。
最後は、軍隊は自己完結型の組織なので、教育を受けた若者たちが実践の場にできることだ。本来は新卒者を採用して育成するのがベストなのだが、実際、各現場ではまだ教育の仕組みまでは用意できていない。そういう意味で、社会にでる最後の準備をする場になればいいと思っている。
軍部からしても、古いおもちゃの処分ができ、辺境星域の哨戒負担が減るので、渡りに船の話だった。初年度は旧式艦30000隻 分艦隊2500隻を12編成でスタートさせる。各星域の帝国軍駐屯地も払い下げてもらい、駐留基地に改修する予定だ。併せて警察組織もどきも創設される。これは各領主の統治組織の一部にすでに捜査機関があるので、これを統合して、人事交流していく形となる。今後、領地を跨ぐ犯罪なども起こりうるだろうから、必要なことだろう。
この事業に対して、俺は主幹事として関わることになっている。立ち上げと組織作りに数年はかかるだろう。それが終われば中将に昇進。そろそろ予備役入りを考えてもいいかもしれない。
「閣下、ケーフェンヒラー男爵がお越しです。御人払いをお願いしたいとのことです」
「ありがとうワルター。オーベルシュタイン卿となにか好きなものを食べてきなさい。少しかかりそうだからね」
シェーンコップ家の一粒種のワルターも従士として給金をもらっているからと従士の真似事をしている。オーベルシュタイン卿に倣って閣下と呼ぶことにしたようだ。ご飯の褒美をお気に召したらしい。少し嬉しそうだ。そういうあたりが年相応でほほえましい。ドアが開いて男爵が入ってくる。男爵も今年54歳、まだ背筋は伸びているが、白髪が少し増えてきている。男爵が内密の話というと何かあったのだろうか。余談だが、ケーフェンヒラー男爵家の子息2人は父の背中より母の背中に感じるものがあったらしく、医の道を進みだしている。
「ザイトリッツ様、お疲れ様でした。必要なこととは言え、多少は出費が増え
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