第三章
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「夏の森も好きよ、春も冬もね」
「春はね」
「雪が溶けて目覚めるみたいな」
「そんな風でね」
「今まで死んでいたのが蘇るみたいな」
「そんな風になるわね」
「冬眠していた生きものが出て来てね」
かえでは彼等の話もした。
「いいでしょ、冬は寒くて雪が怖いけれど」
「雪に包まれた森もいいわよね」
「白くなってね」
「もう一面ね」
「見る分には奇麗なのよね」
「冬の森も」
「だから好きなの」
冬の森もというのだ。
「安全な場所にしか入らないけれどね」
「そうなのね」
「かえでちゃん日本の森は何時でも好きってことね」
「だから山ガールになってるのね」
日本の森はイコール山と言っていい。山が多くそしてその山が木々に囲まれているのが日本という国だからだ。
そしてだ、かえでも森の中を歩くことが好きなので実質的に山ガールにもなっているのだ。
「それで今度もよね」
「山行ってそうしてね」
「それで楽しんでくるのよね」
「そのつもりよ」
かえでは友人達ににこりと笑って答えた。
「秋だしね」
「その実りの秋ね」
「秋の紅葉を見て」
「それで果物も食べるのね」
「そうしてくるわ、登山部の皆と行って」
高校のだ、この学校の登山部は女子も数人いてかえでもそのうちの一人なのだ。
「それでね」
「楽しんできてね」
「感想待ってるわよ」
「秋の森どんな風かね」
「柿とかの味もね」
「苺は野苺だけれど」
かえでは自分の好物の話もした。
「それも食べたいしね」
「苺は畑だしね」
「ちょっと森にはないのよね」
「どうもね」
「あるにしても野苺なのよね」
「そうなのよね」
「それでも苺だから」
このことは同じだからだというのだ。
「食べたいわ」
「そうよね」
「じゃあ楽しんできてね」
「野苺の方も」
「そちらもね」
「そうしてくるわ、ただね」
ここでこうも言ったかえでだった。
「何時かはね」
「何時か?」
「何時かっていうと」
「ドイツに行って」
そしてというのだ。
「あの国の森も行ってみたいわね」
「ドイツのその森にもなの」
「行ってみたいの」
「そうなの」
「ええ、そうも思ってるから」
森好きとしてはというのだ。
「ドイツに行ってね」
「それでなのね」
「ドイツの森に行って」
「具体的にどういった風なのか見る」
「そうするのね」
「流石に妖精やドラゴンや魔女はいないし」
ワーグナーのオペラの様にというのだ。
「童話みたいに悪い狼もいないけれどね」
「お菓子の家もね」
「実際はそうしたのはいないけれど」
「それでもよね」
「ドイツの森も行って」
「それで楽しんでくるのね」
「そうしてくるわ」
絶対にと言ってだ、そし
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