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真ソードアート・オンライン もう一つの英雄譚
インテグラル・ファクター編
デュエル
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…わからないな。これまでキリト君とアヤト君ってデュエルしたことあったっけ?」
「ううん。私も見たことないよ。初めてじゃないかな?」
「そうだよね。どっちが勝つかなぁ。でも、やっぱりキリト君じゃないかな?」
「アスナはキリトさんか……」
「コハルはやっぱりアヤト君?」
「え!?うーん……そうだね。私はアヤトが勝つと思う!アヤト!頑張れー!」
「キリト君も頑張れー!」

カウントダウンが残り5秒になる。4、3、2、1
俺とキリトは肩の剣のグリップを強く握る。そして、カウントは0となった。
その瞬間俺たちは全力で斬り込む。パワー、スピードはほぼ互角。キリトは横薙ぎに、俺は縦斬りに攻撃する。二人の剣がぶつかり合う。二人の剣戟は徐々にヒートアップしていく。
「(アヤトのやつ、本当に強くなったな……一緒に戦い続けて薄々感じてたけど、こうやって面と向かい合うと分かる。凄まじい威圧感と重い一撃。アヤトがどんな気持ちで戦ってきたのかがわかるみたいだ)」

二人の剣は一歩も譲らず、針の穴に糸を通すかのごとく一瞬の隙を見つけてはそこを突くように戦っている。

「二人はなんでソードスキルを使わないのかしら?」
「ソードスキルはどうしても使うときに一瞬のタメが必要だし、使った後の行動不能状態が二人にとって格好の餌食になってしまうからじゃないかな」

その通り、デュエルにおいてソードスキルは奥の手だ。しかし、デュエル初心者ではよくある間違いは開始早々のソードスキルの発動だったりする。これが通用するのは防御力が高い相手で、俺やキリトのような攻撃特化には躱され反撃でやられてしまうのだ。

「(キリトのやつ本当に強いな。俺もキリトに負けないぐらい強くなったつもりだったがそれでもまだあいつの方が強いとか。……でも、俺は負けないぜ!)」

俺はキリトの剣を弾き距離を取る。そして腰を落としてタメる。キリトは驚く。まさかここでソードスキルが来るとは思わなかったのだ。しかし、すぐさま構え直し躱す準備をーーってあれ?
なんとキリトもソードスキルのタメに入ったのだ。
なるほど、キリトもこの一撃に全てを賭けるってことか。いくぞ!

「キリトオオオオオ!」
「アヤトオオオオオ!」

同時に発動した《ヴォーパル・ストライク》はぶつかり合う。そして試合終了のブザーが鳴るとお互いのデュエルメニュー欄を確認した。
結果はDRAW、引き分けだ。結果を見た瞬間俺たちは膝から崩れ落ち、そのまま仰向けに倒れた。

「はあはあ……あはは」
「あはは……はあはあ」

不意に笑いがこみ上げて来る。

「あははははは!!」
「あははははははっ!!」

俺たちは声を上げて笑い合いあう。何が可笑しいとかじゃない。だけど、笑いが止まらないのだ。
コハルとアス
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