第二章
第20話 現代人と古代人
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考慮しても、お前は二十二歳とは思えないほど知識が不十分で、道理に暗い。常識にも欠けている。
最初の謁見のときも、やり方を調べようともせずそのまま来て追い返されていたな。そしてこの前も、ハンスに仕事の進め方が悪いと説教されていたようであるし……。
今がこの状態だと、十年前はさぞ酷かったのだろうと想像する」
ボロクソである。
ちなみに、ハンスというのは爺の名前だ。
俺の頭の中ではもう「爺」で定着してしまっているが。
「将軍はハッキリ言いますね……。ちょっと傷つきました」
俺がガクッときているのを見て、女将軍は優しく笑った。
「ふふふ。悪かった。だが、私はお前のその白紙っぷりが嫌いではない。それに――」
「それに?」
「そう自分で思えるのは、進歩している証なのではないか?」
「……?」
「私も、過去の自分を思い出して恥ずかしくなることはあるぞ? 逆に、過去の自分を見て、まったく恥ずかしい点がないというのはどうなのだろうな。それはつまり、今の自分が当時より進歩していないということを意味するのかもしれない」
そのような考え方もあるのか、と思った。
進歩している――もしそれが本当なら嬉しい。
どんな大河でも、対岸は必ずある。
前にさえ進んでいれば、いつかは向こう岸にたどり着けるはずだ。
「あとは、そうだな……。陛下は確かに大人びてらっしゃるが、歳相応の子供らしい部分も結構見受けられるぞ? 叔母の私が言うのだから間違いない」
そう言われれば確かに。
肩車せがまれたしな…………って、何だって? 叔母?
「あの、今、聞き間違えでなければ『叔母』という単語が聞こえましたが」
「それが何か? 私は陛下の叔母にあたるが」
「え! そうだったんですか。知らなかった……」
女将軍は少しあきれ気味のようだ。
「本当に何も知らないのだな。ひょっとして、お前は自分の国の王室のことも知らないのではないか……? お前は西の国の出身だったか?」
この国の出身ではないとしたら、一体どこの国の出身なのか――。
首都でそのような質問をされたら、適当にはぐらかそうとあらかじめ決めていた。
しかし、なぜかそれは今まで聞かれることはなかった。
不思議に思ったのだが、どうもこの国で異国の出身というのは、西の国もしくは北の国の出身を指すらしい。
西の国というのは、俺のいた世界でいう東アジアの国々のことだ。
造船技術の関係で、そのあたりの国以外から人が来ることがないのだろう。
よって俺も、勝手に西の国か北の国の出身と思われていたようだ。
俺は少し迷ったが、正直に答えることにした。
「俺、西の国の出身でも北の国出身でもありませんよ」
「ほう、
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