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真ソードアート・オンライン もう一つの英雄譚
インテグラル・ファクター編
S級食材
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いため少しの物音でもワラワラやってくるのだ。

「ちょ、ちょっとアヤト君待って」
「どうした?」
「スカートが、スカートが枝に引っかかって」

うーんうーんとスカートを引っ張るミスト。ヤバいヤバいそんなに力一杯引っ張ったら!

ガサッ!

「取れた!」
「ああ、でも今のでアイツらにもバレちまったみたいだ」
「え?」
『ニャーー!!!』

《バンデット・キャット》が飛び出してきた。

「く!やるしかないか!ミスト!悪いけど戦闘準備!」
「わ、わかった!」

ミストは片手直剣を背中から抜き取る。なるほど『インペリアル』か、確かにその剣ならこの層でも十分戦えるな。でも、耐久値が少ししかないって話だし基本は俺がやるしかないか。

「ミスト、背中は任せる。もし剣がなくなったら全力で逃げるか転移結晶を使え」
「え?そうしたらアヤト君はどうするの?」
「俺なら大丈夫。必ず後で合流するから」

そう言って俺は飛びかかってきた敵を斬り伏せていく。後ろのミストも流石この層まで来て戦うだけあってちゃんと戦えてる。最後の一匹を倒すと一息いれる。

「どうにか盗られずにすんだね!」
「ああ、これでどうにかなりそう……って危ないミスト!」
「え?キャッ」

突如後ろから現れたのは仕留め終えたはずの《バンデット・キャット》だった。くそ、こいつら6匹で動いてやがったのか!
ミストに攻撃を当てることに成功した《バンデット・キャット》はアイテムをランダムに盗んだ時に行うモーションをやってそそくさと逃げ去った。

「大丈夫か?ミスト」
「私は何とか……HPもあまり減ってないしね」
「《バンデット・キャット》の攻撃自体はあまり強くない。それよりさっきのやつはアイテムを盗んだはずだ。何を盗まれたか確認してくれ」
「う、うん…………あれ?『フォレスト・ダックの肉』がない……?」
「やっぱりそれか……」
「どうしよう……折角アヤト君がゲットしたのに……ごめんアヤト君……」
「大丈夫。《バンデット・キャット》の巣に行けば取り返せる」

今にも泣きそうなミスト。俺はとりあえず落ち着かせてこれからの動きを説明する。

「《バンデット・キャット》は65層の洞窟に巣があるんだ。そこにはこれまで盗まれて来たアイテムがたくさん置いてある。そこから探し出そう。でも、巣には《バンデット・キャット》のボス《ドン・ザ・サーベルキャット》が現れるかもしれない。《ドン・ザ・サーベルキャット》はフロアボスレベルの強さを誇るから遭遇すると面倒だ」
「うん……そうだね」

元気をなくすミスト。やはり罪悪感を感じているのだろう。一旦街にもどって昼食べてから行こうか。

「一度街に戻ろう。このままだとミストの剣の耐久値が尽きちゃうだろ?
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