第百四十一.五話 淫紋を書かれる話そのいち
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「ふむ…」
隣には、疲れて眠ってしまった一夏。
一夏はこうなると昼まで起きない。
例え、何をしても。
「……………………………」
一夏をうつ伏せにする。
コイツはそこらの女よりも細いのに筋肉があるという不思議な体をしている。
もしかすると【メシア】だからか?
まぁ、どうでもいいか。
一夏の、尾底骨の上あたり。
さっきまで猫尻尾があった所の上だ。
あと、一夏が『感じる』所でもある。
恐らくは、橙を憑依させ続けた副作用だろう。
「……………………」
少し悪戯するくらい、許されるだろうか?
「淫紋でも書くか…」
きっと、私の顔はこれ以上無い程、愉悦に満ちていただろう。
量子格納庫から筆を取り出す。
古式魔法の陣を書くときに使う物で…私自身の髪を加工して作ってある。
「CADシステム起動」
CADシステムが立ち上がる。
「現在の身体のエイドスをフルコピー」
稲荷が感応石を通して、私のコア・エイドスプログラムを電気信号に変換する。
これで準備が完了だ。
「闇の刃よ全てを斥け、以て万物を断て」
CADを使わず左親指の爪に『圧切』を纏わせ、左人差し指を裂く。
『「悪戯」にしては過激じゃない?』
『こんな事の為に再生を使ったってますたーが知ったら怒るかもよ?』
「なに、問題はない」
滲んだ血を、右手に持った筆に含ませる。
そうして…
尾てい骨の少し上の辺りを中心に、淫靡な紋様を描く。
『うーわ…ガチじゃん』
『まったくもう…』
先程のポイントを中心に縦長の菱形を。
それを覆い、子宮のようなハートを。
ハートの凹みに刺さるように、逆三角状の螺旋を。
『一夏様…えろい』
『で?ここからどうする気?』
「うむ、先日シャオシンさんに仙力…気功の扱いを少し教わったからな」
『『は?』』
中心の菱形に、左で作った刀印を当てる。
体の奥底の暖かい光。
体の中心から溢れるそれは、肩へ、腕へ、そして、刀印を伝い、一夏へ。
刹那、淫紋が輝いた。
「……………………」
これはもしかすると…
『やっちゃったね』
『ますたーのお説教確定だね』
やはりか…
「バレなければいいのだ」
取り敢えず物理的証拠を消す。
「稲荷、再生を使う」
『はいはい…』
「再生」
<左人差し指裂傷>
【魔法式ロード】
【コア・エイドスデータ バックアップよりリード】
ISコアに先程記録された情報が、今度は私に流れ込む。
<修復開始>
淫紋を描いた血液が、再び私の中へ戻り、傷が消えて
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