第120話 魔人達は相対するようです
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「・・・一つだけ。」
ゴゥッ!!!
待ってました、とアリアが両腕に『神虎』を宿らせ、それを合図に皆も必殺の
体勢に入る。
「なんのつも「『神霊獣双拳』!!!」
GGuOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!
二頭の巨虎を筆頭に、数千の羽弾と黒い四条の光と白い螺旋が奴に向かう。
驚きを感じさせたのも束の間、自分より僅かに右に逸れている事に気付く。
「――――!」
身を翻し、脇に置かれたままの"ネギ"を庇う。
奴を頭から完全に排除し、他の目標を狙えば或は――と試したが、この場合なら問題なく
技を繰り出せた。とは言え、流石に全員成功とはいかなかったが。
星の数十は破壊出来る技が、光の靄に触れると、何事も無かったかのように掻き消えた。
「……この試みに意味があるとは思えないがな。直接的にも、間接的にも、余波としてで
さえ、被造物では私に結果を齎さない。」
「ハハッ!俺より『創造』に詳しい奴とは思えない発言だな!」
ネギを放り投げながら言う呆れに、俺は嘲笑で返してやる。すると、少し怒ったような
感情が返って来る。
『創造』と言うのは必ず結果を先に決めて行うものだ。ならば当然、あれはどうだ、これは
どうだ、と迷いがあれば、『創造』にかかる時間は長くなり、強度も下がる。
これはこと、こいつとの戦いでは致命的な差となる。
「如何に万能系の『創造』だろうと―――いや、特化させた方が強いのは『創造』も同じ。
だからこそいらん選択肢を排除した。」
「……成程、手間を掛けるのが本当に好きらしい。」
『ここからだ』と言外に言うと、奴も右手をこちらに突き出してくる。
『創造』に最も適した構えなのか、俺の真似をしなくてはならないのかかは分からないが。
「つまり、ここからは一対一と言う事だな!!」
「ああ―――まぁ、本気でなぁ!!」
瞬間、俺と奴から『創力』の濁流が溢れ出した。
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