第120話 魔人達は相対するようです
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。
つまり、あの時のノワールの驚愕加減が正しかったって訳だ。となると、だ。
「それ程までに珍しい"例"な訳か、俺は?」
「貴様を戦闘において遥かに凌駕する"創造者"も、『創造』の能力全般のレベルが高い者も
山の様に居る。私が規定した『創造の名』に近づいた"創造者"も少なくはない。
しかしそれも数千・数万と言う歳月を経ての成果。
他の"創造者"ならば並行世界の全て見通して数例しかない可能性・確率を、貴様は全ての
並行世界で"初めて"で成し遂げ、あまつさえ『貴様』は引き当てた。
故に私は『愁磨・P・S・織原』の基本を、原点を、起源を『貴様』と言う個体とした。」
勝手に人を"聖人の遺体"にしないで欲しい所だが、問題はそこじゃない。
問題は、こいつを呼び出す為に、因果をなるべく『この俺』――今となっては"基本の俺"と
なったが――に収束すべく、並行世界の俺を取り込んだ事。
そしてその際、復活点として"繋ぎ"だけした俺を残したのだが―――
「お前にとっては好都合だった訳か。『この俺』さえ始末すれば『並行世界の俺』も、
『並行世界の俺だった』のも纏めて消去出来るんだからな。」
「理解が早くて助かるよ、最も私に近づいた創造者よ。そう、『創造者』にするのは
容易いが、こうなった場合が面倒なのだ。『創造者』は他の被造物とは違い、私自ら手を
下さねば"消去"出来ない。並行世界……いや、『可能性世界』のある程度重要な分岐を
一つずつ潰して行く作業の面倒な事。貴様らにとっては一瞬かもしれぬが、私にとっては
百年の仕事なのだ。」
「面倒なんだったら無視しといてくれませんかねぇ………?」
「如何な『創造者』とて、無限に放置すればいつかは私に届くのだ。『創造主神』として
看過する訳にもいくまい?誰だって死ぬのは嫌な物だろう?」
まぁそりゃそうだが、と半分呆れながらに返す。
妙に説明口調で面倒な奴だと初めは思ったが、どうもそうではない。話す度にテンションが
上がって来ているのだ。
人と話すのが久しぶりなのか、そもそも初めてなのかは知らないが。
兎も角、想像していたような性格の奴ではないらしい。
「ならば仕方ない、嫌々だろうが死んで貰おう。」
「おいおい、そう急がんでも良いだろうに。折角初めて、手間の掛らぬ『創造者』と話せて
居ると言うのに……。まったく、どうしてこう被造物の思考と言うのはどの"次元"に居ても
同じになるのか、それだけが分からんよ。」
"アトロポスの剣"を抜いて向けるが、気にした様子もなく、明らかにガッカリした様子の
『創造主神』。余裕かマジなのか
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