第三章
[8]前話
「サーカスのショーの時にね」
「忍者になってか」
「うん、そしてね」
そのうえでというのだ。
「ショーしたら目立って評判もいいんじゃってね」
「そう思ってか」
「普段の軽業師の衣装も着て」
そしてというのだ。
「早変わりも入れてね」
「それで忍者の格好でもか」
「ショーすればどうかなって思ったけれど」
「それはいいな、じゃあ子供用の忍者グッズを全部買って」
団長は義娘の言葉を聞いてすぐに決断した。
「そうしてな」
「それでよね」
「御前は忍者の恰好にもなってな」
「やるといいわね」
「普通の忍者もいいがくノ一もいいな」
これもいいというのあった。
「演舞でくノ一の人もいたがな」
「ミニスカートみたいな衣装でやってたわね」
「あれもやってみるか」
「うん、そっちもね」
「これで決まりだな」
団長は確かな声で言った、そしてだった。
パティは団長が買った忍者グッズ、それにくノ一の服も着てだった。普段の軽業師の服も交えた早変わりも加えて。
軽業と軟体のショーを行った、するとショーは普段のショー以上に評判になり。
大人気となった、それで客は最初から最後まで盛況で団長も団員達も大喜びだった。それでだった。
団長はパティにだ、ロンドンを去って次のショーの場所に行く時に彼女に対して満面の笑みで言った。
「次のショーでもな」
「忍者になってよね」
「ショーをやるからな」
「うん、わかったわ」
パティは団長に笑顔で答えた。
「それじゃあ次の場所でもね」
「次のショーの場所はオックスフォードだ」
「凄い大学があるっていう」
「あそこでな」
その街でというのだ。
「やるけれどな」
「そこでもよね」
「忍者になってもらうぞ、いいな」
「私もあの衣装好きだしね」
「忍者もくノ一もか」
「特に忍者がね、恰好いいから」
「それだ、恰好いいってな」
実際にとだ、団長はパティにそのことも話した。
「人気があるんだよ」
「それで余計によね」
「御前にはこれからも忍者になってもらうからな」
「そうさせてね」
パティに砲もやる気満々だった、そしてだった。
実際にオックスフォードでも他の場所でも忍者、くノ一になってショーを行った。パティは忍者として欧州中で知られる様になりサーカス団も忍者がいるとして評判になった。ロンドン橋での偶然の出会いは誰にとってもいいものとなった。
ロンドン忍者 完
2018・9・17
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