第二章
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「それでもよ」
「広い範囲一気に刈るならね」
「鎌だとね」
「時間かかるから」
「そう、それもね」
妹はさらに言った。
「整わないから」
「草刈り機でやった方がずっと奇麗になるし」
「速いから」
一気に刈れるからだ。
「だからね」
「草刈り機が一番よね」
「ましてうち田んぼも畑も広いのよ」
そこから得られる利益は結構なものだ、ビニールハウスも幾つも持っていて鶏も育てていて収入は結構なものだ。だから家も大きいしものも多く持っている。
「だったらね」
「草刈りに時間をかけていられないから」
「だからね」
「草刈り機が一番なのね」
「そう、わかるでしょ」
「うん」
アネモネも農家の娘だ、わからない筈がない。
「そのことはね」
「だったらよ」
「鎌よりもね」
「草刈り機よ、大抵の場所はこれで刈って」
今自分達が使っている草刈り機でというのだ。
「それでよ」
「どうしてもというところだけは」
「鎌を使ってよ」
そうしてというのだ。
「やっていかないとね」
「駄目なのね」
「そう、じゃあいいわね」
「うん、わかってるから」
少し不満でもわかっていることだからだ、アネモネも答えた。
「草刈り機使うわね」
「そうしてね」
「趣味の問題じゃないのね」
「お仕事だからね」
農業、家単位でのそれだからだというのだ。
「それでお願いするわね」
「これからもよね」
「文明、特に機械はね」
「農業でも大事よね」
「うちに機械があってどれだけ助かってるか」
農作業の為のそれがだ、今姉妹でそれぞれ使っている草刈り機だけでなくトラクターもまた然りである。
「そうでしょ、私達はこれからね」
「車の免許取ってトラクターとかもね」
「動かせる様にならないといけないし」
「機械がないとね」
「何も出来ないよ」
今の農家はというのだ。
「本当にね」
「そうよね、鎌とか鍬があっても」
こうした農具も今も使われていてもだ。
「メインはね」
「機械よね」
「こうしたね、じゃあね」
「使っていくわね、草刈り機」
「そうしてね、草刈り機で刈れる場所は」
それこそというのだ。
「全部刈るわよ」
「わかったわ」
アネモネは妹の言葉に頷いた、そうして草刈り機で刈れる場所は姉妹で徹底的に刈った。だがその後で。
草刈り機では駄目なところにだ、アネモネは喜々としてだった。
鎌を持って向かう、そうしつつ妹に言うのだった。
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