第三章
[8]前話
「そうしようね、じゃあ今から」
「皆で順番でお風呂に入って」
「パジャマパーティーね」
「寝る前にちゃんと歯を磨いて」
「今度はそれを楽しみましょう」
笑顔で話してだ、皆で今度はお風呂とパジャマパーティーを楽しんだ。ゆいこはこの日寝るまで満面の笑顔だった。
そして次の日も笑顔でいてだった、彼女の保護者になっている叔母が帰ってきた時も笑顔だった。鍋とパジャマパーティーの間大人しかった猫と共に叔母を出迎えて彼女と自分が作った晩御飯を食べつつチョコレート鍋とパジャマパーティーの話をした。
その話を聞いてだ、叔母は姪に言った。
「貴女が笑顔でいられるならね」
「それならなの」
「いいことね」
「そう言ってくれるのね、叔母さんも」
「ええ。貴女は笑顔でいないと」
自分にもそうなっているが彼女のトラウマのことを思い出して言った。
「駄目だからね」
「だからなのね」
「貴女が笑顔になることなら」
それならというのだ。
「そんないいことはないわ。笑顔はね」
「心の最高のご馳走よね」
「だからね」
例えそれが無意識化にある強迫観念から来るものであってもというのだ。
「貴女は笑っていて」
「そして笑えることなら」
「していってね、私はそんな貴女をいつも見ているから」
「有り難う、叔母さん」
ゆいこは叔母にも笑顔を向けて答えた。
「それじゃあね」
「これからも笑顔でいてね」
「そうしていくね」
甘い鍋は今は目の前にない、しかしゆいこの笑顔はそのままだった。甘い楽しみが今も心の中にあるから。そして叔母はその彼女を見てこの笑顔があのことを癒して忘れさせてくれるのならいいと思うのだった。
スイーツ鍋 完
2018・9・19
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