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レーヴァティン
第七十一話 南の港町その三

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「危険、死と隣り合わせだったわ」
「過酷なものだったんだな」
「そうだったのよ」
「それが現実だな」
「私達の世界のね、けれどね」
「こっちの世界は違うな」
「この島の事情もあるし」
 清音はまたこのことを話した。
「湖図と羅針盤もあるから」
「そうだよな」
「モンスターはいてもね」
「今回も戦ったね」
 また淳二が言ってきた。
「モンスターと」
「結構強いのが出て来たね」
 剛は淳二のその言葉に応えた。
「本当に」
「そうだったね」
「鮫とか首長竜とか」
「大蛸とかね」
「ああ、けれどスキュラーは出て来なかったな」
 芳直はこのモンスターの名前をここで出した。
「俺っち一回戦ったことあるけれどな」
「スキュラー、あの」
「ああ、上半身は美少女でな」
 芳直はスキュラーと聞いて反応した清音に話した。
「下半身はな」
「人間じゃなかったわね」
「足は十二本あって犬のでな」
「犬の頭が六つ生えていたわね」
「もっと凄い下半身の奴もいるらしいな」
「そのスキュラーに遭遇したことがあるの」
「大変だったぜ、バイキング仲間が何人も捕まってな」
 そうしてというのだ。
「食われそうになったところを族長さんが船団全部突っ込ませてな」
「そうして戦闘にになって」
「全員傷だらけになってな」
「何とか勝ったのね」
「ああ、しかしな」 
 それでもとだ、芳直は清音に話した。
「もう一度やってみるかって言われたらな」
「二度と戦いたくないのね」
「強いぜ、犬の首は何百メートルも一瞬で伸びて襲ってきてな」
「その牙には」
「毒があるんだよ」
 そうしたモンスターだというのだ。
「その毒も厄介だしな」
「強いのね」
「数は相当少ないけれどな」
「かなり稀少なモンスターだったわね」
「クラーケン並にな」 
 その遭遇する確率はというのだ。
「遭えたらある意味ラッキーだぜ」
「そこまでだったわね」
「けれどな」
「遭ったらね」
「滅茶苦茶強いからな」
「そんなに強かったの」
「だから頭が六つあるんだよ」
 犬、牙に毒のあるそれがだ。
「幾らでも伸びてな、あと人間の頭もあるだろ」
「あっ、上半身ね」
「あの頭から術も使うしな」
「そのこともあって」
「冗談抜きに強いからな」
 スキュラはというのだ。
「攻撃は多くて射程も長くて速くてな」
「それで術も使ってきて」
「とんでもない強さだったぜ」
「強いとは聞いていたけれど」
「犬の首切ってもすぐに切り口から生えてきたしな」
「あっ、それも効かないの」
「ヒドラ並の生命力なんだよ」
 この要素も備えているというのだ。
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