第二章
第18話 戦後の処理
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は果たせて、本陣の国王周辺に居たメンバーも無事だった。
よかったよかった。
「私からも将を代表して礼を言わせてくれ。感謝するぞ。オオモリ・リクよ」
ベッドの反対側から女性の声が。
全然気づかなかったが、ファーナ女将軍もいたようだ。
「将軍。あなたが言っていたこと、ちゃんとできましたか、俺」
「ああ。お前が私の部下だったらどんなに嬉しかったか」
「俺は民間人なのでプレッシャーかけるのはもう勘弁してくださいね」
「ああ。また期待しているぞ」
人の話はきちんと聞いてほしい。
***
俺の怪我は大したことなかったため、軍の会合に出ることになった。
国王の話とか、戦後処理についての話があるらしい。
もう軍とのかかわりは持ちたくないので、正直なところ出たくはなかったのだが。
出発前の軍議とは部屋が違っていた。広い。
出席者もやたら多い。五十人以上はいると思う。大隊長クラスの人まで出席しているのだろうか。
司会はコスプレ参謀だ。あの衣装やめたらいいのに、と思う。完全に浮いている。
俺は……とりあえず端に近いところにいることにした。
最初は国王の挨拶で始まった。
「このたびの戦、無事わが軍の勝利で幕を閉じた。古代遺跡の発掘調査も早くて一週後には再開される予定だ。きっと亡き先代も喜んでおられるであろう。これもすべて、そなたらの獅子奮迅の働きのおかげだ。深く感謝したい」
話は短い。
かしこまった場での国王の話は、全員姿勢を正して聞かなければならないという不文律があるようで、足をゆるめることは許されていない。
この場の誰もが疲れていると思うので、きっとありがたかっただろう。
この国王は人前で話すとき、爺が台本を用意していたりということはなく、いつも自分で考えて話しているらしい。
出席者の疲労に配慮して、わざと短くまとめたのかもしれない。
国王の挨拶のあとは、コスプレ参謀が今後のことについて話し始めた。
国王は事前に全て承認済なのか、うなずきながら聞いている。
あの砦は拡張工事をするらしい。古代遺跡の発掘調査をおこなう以上、今後は重要な基地となる。当然だろう。
ほか、砦に常駐させる部隊の説明や、連絡方法についての説明などもおこなわれていた。
この短時間でもうそこまで話を詰めている。
王制って凄いな、と思う。
議会制民主主義だったら、きっとこうはいかないのでは。
話は続き、現在は捕虜の扱いについての話に及んでいた。
「次はとらえた捕虜の扱いである。このたびの戦については、敵国の戦いぶりも誠に見事なものであった。通常、捕虜については刑場の係の者で拷問または処刑をおこなっているが、今回は彼らに
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