第6章:束の間の期間
第173話「天巫女の真髄」
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訳ありません、主よ。二度も主を守ろうとすらできない不忠、守護獣としての名が廃りましょう。……ですが、今回は主のため。どうかご容赦を……」
裏切られたのかと、はやてが絶望したように言う。
「司!ザフィーラ!どういうことなんだよ!説明しろよ!」
「………」
「司は祈りの真っ最中。代わりに私が答えるわ」
ヴィータが拘束に苛立ちながらも司達に問い、代わりに奏が応答する。
「……簡潔に言えば、魅了の解除。それだけよ」
「魅了……どういう、事なの?」
「フェイトちゃん、私たちはずっと魅了されてたんだよ。本人も掛けている自覚がないから、気づかない人はとことん気づかないみたいだけど……」
「言っておくけどなのは、あんたの家族やプレシアさんとかは普通に気付いていたわよ。多分、あたしの両親や鮫島もね……」
拘束とそれに対する抵抗を繰り広げられる。
当然であるが、拘束に全力を注いでも大人数を抑え続けるのは難しい。
故に、限界は近かった。
「ちっ……あたしの拘束じゃ、長く保たないわ!」
「司さん、早く!」
「これで……終わり!」
〈祈祷顕現〉
拘束が解けると同時に、司の魔法が発動しきる。
光に包まれた皆の魅了が解かれていく。
「………ぇ……?」
魅了が解かれた者達が最初に感じたのは、小さな“違和感”。
だが、その違和感は今までの事を思い出すと同時に急激に膨れ上がっていく。
「何、これ……?」
自分のようで、自分じゃない。
自分の姿をした別人を見るかのように、今までの自分を思い出していく。
「うっ……!」
自分が自分じゃないような違和感。
それはまるで今まで自分が操られていたようなもので……。
それを認識した瞬間、多くの者が吐き気を催した。
「アリシアちゃん!」
「オッケー!アリサ達は気をしっかり持ってね!」
―――“衝心波”
このままにしておくのは危険だと司は判断し、即座にアリシアに声を掛ける。
すぐさまアリシアは自身の霊力を一気に使い、衝撃波を放つ。
その衝撃波は物理的な干渉はせずに、意識に干渉する。
「……っ、ぁ……」
「……危ない所だった……」
「一歩遅ければ、発狂しかけていたね」
アリシアの霊術により、魅了が解かれた者全員が気絶した。
平常であれば、少し気を強く持つだけで普通に防げるはずだが、それだけ魅了が解けた際の影響によって精神が弱っていたのだろう。
「……それにしても、人手、減らしちゃったね」
「あっ……」
気絶した面々を見て、ユーノがそう呟く。
それを聞いて、司は“しまった”と落ち込む。
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