第6章:束の間の期間
第173話「天巫女の真髄」
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堵する司。
神夜がいないのであれば、変に止められる事はないからだ。
「(でも、ザフィーラとリインちゃんは無理だったかぁ……仕方ないかな)」
はやての護衛・家族としてついてきたザフィーラとリイン。
二人は魅了とは無関係だが、引き離す理由がなかったらしく、ついてきていた。
「ただ、私の……天巫女の加護を、魔法を受けてもらいたいだけだよ」
「天巫女の……?一体、どんな……?」
「それにこんな大人数に大丈夫なんか?」
「うん。ジュエルシードがあるから。許可も取ってあるしね」
嘘ではないが真実も言わずに誤魔化し続ける司。
その言葉を疑わずに、ジュエルシードを取り出す司をただ眺めるフェイト達。
「じゃあ、始めるね……」
ジュエルシード全てを取り出した司は、天巫女の装束を纏う。
そして、その魔法を行使するための詠唱を始める。
〈天に祈りを捧げる巫女の願いを叶えたまえ……〉
「我、願うは汝らの清らかなる心。正常なる精神。何人にも侵させぬ、強靭なる加護を今ここに顕現させよ……!」
いつもと違う、明らかに真剣な司の様子に、何人かが違和感を抱く。
だが、まだ疑うというよりは、“何かがあった”程度に思うだけだった。
「汝らの歪められた心を、今こそ正常へ帰さん!!祈りの加護をここに!!」
―――“Ange lumt?re”
刹那、ジュエルシードと司が輝きに包まれる。
司に対する違和感と、その輝きを見て、咄嗟に何人かが飛び退こうとするが……。
「ごめん、フェイト」
「っ、あ、アリシア!?」
「悪いけど、大人しく受けて。大丈夫、悪い事にはならないから」
魅了による影響か、司の魔法に“嫌な予感”を覚えた内の一人、フェイトがアリシアの霊術によって避けようとした所を拘束される。
同じように、他にも逃げようとした人が待機していたメンバーに捕まった。
「ど、どういうことなんや司ちゃん!」
「……どうもこうもないよ。ただ皆を元に戻す。それだけ」
「だから、大人しくして、ザフィーラ、リイン」
「っ……!」
「ぅ……」
はやての困惑した叫びに、真顔で司は返答する。
それに続けるように、奏がザフィーラとリインの動きを止めながら言う。
「っ、ザフィーラ!?なぜ、抵抗しないのだ!?」
「……悪いがシグナム、ただ謀ろうとしたならともかく、“元に戻す”のであれば、俺に止める理由はない」
司の言葉に納得したザフィーラは奏の言葉に従い、大人しくする。
それに驚いたシグナムは問い質し、ザフィーラは正直にそう答えた。
「……なんで、ザフィーラ……」
「……申し
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