第6章:束の間の期間
第173話「天巫女の真髄」
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「……私は、解くべきだと思う」
最初に意見を口にしたのはアリシアだった。
そのために、全員の視線がアリシアに向く。
「え、えっと、私見なんだけど……魅了されてる皆は、やっぱり思考において制限されてる節があるんだ。皆も知ってる通り、神夜に対して盲信的になってるからだろうけど……。とにかく、その思考の制限のせいでこれからの事に支障が出るなら、多少のリスクは覚悟で解くべきだと思う」
それは、霊術を鍛える名目の下、優輝達と深く関わってきたからこその意見。
視野を広く持つように鍛えたため、すぐにそう言った意見に辿り着いた。
『その意見も一理ある……けど、それを加味してもこれ以上の混乱を避けたい。僕としては、この機会を逃したくないのもあって半々だな……』
「そうなんだよね……」
対し、クロノとユーノは魅了を解く事による混乱を問題視していた。
ただでさえ事後処理の真っ只中だというのに、さらに何かを起こすにはさすがにタイミングが悪いと思ったからだ。
もちろん、魅了に関しては解くべきだとは思っているため、解けるならば解きたいという気持ちも強く、どうしても断じる事は出来なかった。
「わ、私も解くべきだと思う!」
「っ、びっくりした……」
そこへ、なのはが立ち上がってそう言った。
隣で考え込んでいたアリサは、突然のなのはの様子につい驚いていた。
「何年も魅了されたままなんて……そんなの、フェイトちゃん達が可哀想だよ!」
「……なのはの意見も尤もね。あたし達は比較的早めに解かれたけど、それだけ魅了されてる皆の異常さを目にしてるんだから……」
「普段は大差ないから、日常ではあまり気にしないけど、それでもね……」
なのはの言葉に続くように、アリサとすずかも呟くように言う。
「……魅了ってのは、言い換えりゃ人の心を歪め、書き換える代物だ。……そんなの、人道的に許せるはずがねぇ。他人がやっているのを目の当たりにして思い知らされたぜ。……だからこそ、エアに頼んでナデポとかを封印したんだしな」
「そうですね。普段は大した影響がないとはいえ、魅了というのは明らかに人の心を歪めている。こうして、“大した影響がない”と思っていても、いつかは……」
帝とリニスも魅了に対して改めて考えを述べ、言外に今すぐ解くべきだという。
なお、帝の最後の一言は誰にも聞こえない程小さな呟きだった。
「……じゃあ、今すぐ解くという事でいいんだね?」
「まぁ、解くに越したことはないからね」
『だが、相応の混乱が生じるのも確実だ。……各々、フォローを頼むぞ?特に、神夜への対
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