第一幕その九
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「猫でもそうはいないよ」
「それで悪戯好きで気まぐれで飽きっぽいから」
ジョージはエリカのそうしたところも指摘します。
「エリカは困るんだよね」
「そこを何とかしないと」
「ちょっと大変よ」
「前から騒動も起こしてきたね」
「だったら気をつけないと」
「気をつけるって言われても元々の性格よ」
それでと言うエリカでした。
「だったらね」
「そうした性格もなんだ」
「直せないっていうの?」
「というか直す気がないの?」
「もうそのままの性格でいいとか」
「そう言うの?」
「そうよ。私はもうこれでいいわよ」
今の性格で、というのです。
「とても猫らしいんだから」
「いや、猫らしいといってもだよ」
それでもと返すジョージでした。
「エリカは極端だから」
「猫としての性質がなの」
「強過ぎるんだよ」
このことが問題だというのです。
「どうにもね」
「それが困るっていうのね」
「そうだよ。僕達はそんなに迷惑していないけれど」
「他の人達がなの」
「エリカ最初にオズの国に来た時も騒動起こしたよね」
「魔法使いさんの子豚達ね」
魔法使いさんが可愛がっていて手品にも協力してくれている子豚達です、魔法使いにとっては可愛い友人達でもあります。
「あの子達ね」
「一匹食べたとか食べなかったとか」
「確かに食べたかったけれど食べなかったわよ」
「今でもだよね」
「ええ。けれど疑われたわね」
「あれはエリカが悪いよ」
疑われたことはというのです。
「そもそもね」
「疑われる様な行動をしたからかしら」
「そうだよ」
その通りだというのです。
「だから疑われたんだよ」
「それが問題なのね」
「あの時もそうだったしね」
「そういえば他にもあったわね」
「色々とね」
引き起こした騒動はというのです。
「だからもっと大人しくしないと」
「猫らしくなくなれっていうの?」
「そうは言わないけれど」
それでもというのです。
「自重っていうのかな」
「自分を抑えろ」
「あらゆる意味での猫らしさをね」
「抑えろっていうのね」
「うん、そうしないとね」
それこそというのです。
「女王になってもね」
「その国に騒動を起こすの」
「そうなるよ。エリカはね」
ジョージは自分の目の前に座っているエリカにさらに言いました、テーブルの上にちょこんとした感じで。
「ガラスの猫よりずっとそうだからね」
「だって生身だからね」
「生身の猫だからだね」
「余計にそうなのよ」
「まあ僕から見れば同じ猫かな」
そこはこう返したジョージでした。
「エリカもガラスの猫もね」
「あら、そうなの」
「うん、猫は猫だよ」
「あっちはガラスの身体を随分誇りにしてるけれどね」
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