戦闘評価
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座っていた。
次に登場したのは、統合作戦本部の人事部長だった。
戦報という、功労や反省―−即ち、同盟軍の人事を司る部署の長である。
その部下である人事部の課長が慌てふためきながらも、雑用のような仕事をしている理由である。
続いて、後方勤務本部長が入室し、残る席は三つとなった。
会議の開催は、十時三十分。
二十七分に、統合作戦本部次長であるラザール・ロボス大将が。
二十八分に、宇宙艦隊司令長官であるシドニー・シトレ大将が。
そして、三十分に統合作戦本部長――ジェフ・コートニー元帥が入室し、第五次イゼルローン要塞攻防戦の戦報会議は静かに始まったのだった。
+ + +
「それではご起立をお願いいたします」
ジェフ・コートニーが席の前に着けば、人事第一課長――コーネフ少将の号令で全員が立ち上がった。
「これより、第五次イゼルローン要塞攻防戦戦時報告会議を開催いたします」
今回の会議の進行役でもあるコーネフ少将の言葉に、全員が頭を下げ、着席をする。
椅子を動かす音だけが聞こえ、コーネフは額の汗を拭った。
「それでは、手元に配りました資料を確認願います」
全員の手が目の前に置かれた資料を確認する。
丁寧に分けられた資料。
それは会議を司る人事部の人間の丁寧さと、几帳面さを発揮していると言えるだろう。
全員が資料を確認するのを見届けると、コーネフは声をあげた。
「まずは。イゼルローン要塞攻防戦の概略については、まとめた結果」
視線がコーネフに集中する。
上位の階級者からみられることに、コーネフは目の前の資料を読むことに集中することで、声が震えるのを耐えた。
「イゼルローン要塞は落とすことはできませんでしたが、敵の反撃は予想外の行動であって、問題がないと考えております」
「予想外か」
呟かれた言葉に、コーネフは言葉を止めた。
発言の主を視線で探せば、そこには気難しそうに顔を歪めた老将の表情があった。
一瞬だけ浮かんだ苦い表情を笑顔で隠して、コーネフは頷いた。
「ええ。部隊として把握することは誰も予想できなかったと――」
「誰にもか?」
呟かれた言葉に、今度はコーネフ苛立ちを隠すことができなかった。
「その点については、後の資料で記載しますが。部隊として把握はされていなかったと。ビュコック提督も作戦前には考えもつかなかったのではないですか」
「その点は認めよう。把握していた人間のことを忘れてはいないか気になったものでな」
「ビュコック中将。それについては、コーネフ少将が後程といっているのです。今話したところで、無駄な時間が伸びるだけないですか」
「その通りだ。時間は有限だ――いちいち突っ込んでいたら、まとまるものもまとまらん
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