「わたしの部屋……なにもありません」
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ます」
せっかくなのでケーキをいただくことにしました。
「むふー」
「プレミアは相変わらず、いい食べっぷりだナー」
「……それで、どういうことなんですか?」
「あー……まあ、それはだナ……」
そうして名物のケーキを三人で舌鼓を打つとともに、それはそれとしてユイはアルゴを問い詰めると。歯切れの悪くまたごまかす口八丁を考えようとするアルゴに、ユイは他者にも見えるようにシステムメッセージを表示する。
「これ以上ごまかす気なら、今すぐママを呼びます」
「あーわかった、わかったヨ! ……ママに似ていい子に育ってるみたいだナ……」
「ありがとうございます」
「……オレっちもそこそこ名の売れた情報屋をやってるわけダ。イメージってのは重要なんだヨ」
しかしてよく出来た娘の脅迫に耐えることは出来ず、アルゴは観念して細々と語りだした。アルゴとしてはその一言だけで察してもらいたかったようだが、ユイは続きを促すように首をかしげているし、プレミアは話し半分でケーキに夢中だ。
「……つまり、オレっちがかわいい雑貨を買いに来てるなんて噂がたったら、その、商売がやりにくくなるんだヨ……」
「……そういうものなんですか?」
「アルゴがかわいいものを買って何が悪いのですか?」
「そういうものなんだヨ! とにかく、ヒミツにしてくれないと……あー……酷いからナ!」
あの神出鬼没、正体不明の《鼠》がかわいい物目当てに雑貨屋巡り――ともなれば、確かに《SAO生還者》辺りからすれば、噂の出所を確かめる程度にはスキャンダルだったが。そんな駆け引きはまだ少女たちには難しいらしく、二人してケーキを食べながら首をかしげています。
「よくわかりませんが、わかりました。秘密だと頼んでくれるなら、秘密です」
「……そうですね。プレミアの言う通りです」
「助かるヨ……」
アルゴも普通のプレイヤーが相手ならば、弱味をちらつかせて口封じするだけで済む話だが、この二人を前にしたら「酷いからナ!」などと小学生のようなことしか言えないとは。力がどうしようもなく抜けていくことを感じながら、それはそれとして、アルゴも気になっていたことを聞き返します。
「なあプレミア。ちゃんと変装していたつもりだったんだが、どうして分かったんダ?」
「アルゴはアルゴですから、当然です。ごちそうさまです」
「……ナルホド」
……成程、などとはもちろん言ってみただけである。ユイにはバレていなかったわけで、アルゴの変装が下手だった訳ではないようだが、はてさて。
「そういえば、アルゴに聞きたいことがありました。お金もあります」
「……さっきのことをヒミツにしてくれればお釣りがくるヨ。なんダ
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