暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
「わたしの部屋……なにもありません」
[6/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ます」

 せっかくなのでケーキをいただくことにしました。


「むふー」

「プレミアは相変わらず、いい食べっぷりだナー」

「……それで、どういうことなんですか?」

「あー……まあ、それはだナ……」

 そうして名物のケーキを三人で舌鼓を打つとともに、それはそれとしてユイはアルゴを問い詰めると。歯切れの悪くまたごまかす口八丁を考えようとするアルゴに、ユイは他者にも見えるようにシステムメッセージを表示する。

「これ以上ごまかす気なら、今すぐママを呼びます」

「あーわかった、わかったヨ! ……ママに似ていい子に育ってるみたいだナ……」

「ありがとうございます」

「……オレっちもそこそこ名の売れた情報屋をやってるわけダ。イメージってのは重要なんだヨ」

 しかしてよく出来た娘の脅迫に耐えることは出来ず、アルゴは観念して細々と語りだした。アルゴとしてはその一言だけで察してもらいたかったようだが、ユイは続きを促すように首をかしげているし、プレミアは話し半分でケーキに夢中だ。

「……つまり、オレっちがかわいい雑貨を買いに来てるなんて噂がたったら、その、商売がやりにくくなるんだヨ……」

「……そういうものなんですか?」

「アルゴがかわいいものを買って何が悪いのですか?」

「そういうものなんだヨ! とにかく、ヒミツにしてくれないと……あー……酷いからナ!」

 あの神出鬼没、正体不明の《鼠》がかわいい物目当てに雑貨屋巡り――ともなれば、確かに《SAO生還者》辺りからすれば、噂の出所を確かめる程度にはスキャンダルだったが。そんな駆け引きはまだ少女たちには難しいらしく、二人してケーキを食べながら首をかしげています。

「よくわかりませんが、わかりました。秘密だと頼んでくれるなら、秘密です」

「……そうですね。プレミアの言う通りです」

「助かるヨ……」

 アルゴも普通のプレイヤーが相手ならば、弱味をちらつかせて口封じするだけで済む話だが、この二人を前にしたら「酷いからナ!」などと小学生のようなことしか言えないとは。力がどうしようもなく抜けていくことを感じながら、それはそれとして、アルゴも気になっていたことを聞き返します。

「なあプレミア。ちゃんと変装していたつもりだったんだが、どうして分かったんダ?」

「アルゴはアルゴですから、当然です。ごちそうさまです」

「……ナルホド」

 ……成程、などとはもちろん言ってみただけである。ユイにはバレていなかったわけで、アルゴの変装が下手だった訳ではないようだが、はてさて。

「そういえば、アルゴに聞きたいことがありました。お金もあります」

「……さっきのことをヒミツにしてくれればお釣りがくるヨ。なんダ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ