機動戦士ガンダム
2170話
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「……へぇ、いよいよ連邦も本格的に接触してきた訳か」
ルルーから聞かされた内容に、俺はそう呟く。
とはいえ、それを聞いた他のルナ・ジオンの幹部達の中には、複雑な表情を浮かべている者も多いが。
当然ながら、ルナ・ジオンにおける幹部は基本的にジオン公国の出身者ばかりだ。
セイラがラルを頼り、ラルはジオン公国で仲間を捜していたのだから、それは当然の成り行きでもある。
だが……だからこそ、ルナ・ジオンの幹部には連邦軍に対して色々と思うところのある者が多い。
一番それを感じているのは、ルナ・ジオン軍のトップに立つアンリだろう。
元は連邦軍に所属していたアンリは、ジオン・ズム・ダイクンの思想に共感し、連邦軍を抜けてダイクンに協力した程の人物だ。
それだけに、どうしても連邦に対して思うところがあってもおかしくはない。
「それで、連邦軍の要望は一体何だ?」
自分が悩むのは後回しにするべきだと判断したのか、アンリはルルーにそう尋ねる。
「簡単に言えば、使節団をクレイドルに派遣したいと」
『……そちらでは、ジオン軍よりも連邦軍の方が先手を打ったのだな』
そう言ったのは、ハワイの指揮を任されているゲラート。
元々ゲラートは闇夜のフェンリル隊を率いて地上で戦っていただけに、ルナ・ジオン軍の中では最も地上におけるMS戦に詳しい。
だからこそ、ハワイの司令官としてゲラートに白羽の矢が立った。
……本人は、目の治療も終わった事だし、出来れば前線で戦いたがっていたが。
他に人材がいれば、ゲラートの希望も通ったのだろうが……残念ながら、現在のルナ・ジオンの人材は多くない。
どうしても、今いる人材でどうにかする必要があったのだ。
「そうだ。ジオン軍はルナ・ジオンと表向きは敵対しているからな。どうしても表向きに接触してくるのは難しいだろう」
ダグラスのその言葉に、なるほどと納得する。
これが、秘密裏に交渉出来ることであれば、ジオン公国としても動けたのだろうが……そういう面では、連邦軍が1歩抜きん出た形だな。
とはいえ、依然としてルナ・ジオンとジオン共和国は物理的に近い。
そうなれば当然のように、接触も多くなる。
突撃機動軍は、今もグラナダを本拠地として使ってるしな。
もっとも、何か違法な行為を企もうとしていないかという監視もかねて、量産型W、バッタ、コバッタといった者達が送られているのだが。
シーマの一件や、ケン達外人部隊の一件もある。
その辺りの事情を考えれば、ジオン軍や突撃機動軍が犯罪を犯しませんなんて事を言っても、素直に信用出来る訳もない。
キシリアを含む突撃機動軍の上層部も、そんな俺の言葉は否定出来ずに大人しくこっちの要望を飲んだ。
いやまぁ、要望を飲ま
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