第二章
第16話 ドメリア砦の戦い(1)
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えているのだろうか。
「……もう少しここを厚くしたほうがよかったのかな」
げげ、俺と同じ感想だ。
「はい、実は私もそのように考えておりました。ご不安をおかけして申し訳ございません」
は?
俺は耳を疑った。なぜコスプレ参謀も同意しているのか。
彼は軍議のときに自信満々にプレゼンしていた。今になっていったい何を、と思う。
これは国王も怒るんじゃないか?
「いや、そちはあのメンバーの中で一番若いからな。実績のあるヤハラやウィトスが立てた案はなかなか覆せまい。そもそもまだ問題は発生していないのだから、気にする必要はないぞ」
「はい。申し訳ありません」
国王は冷静なままだった。
俺も頭の中の噴火が微妙に恥ずかしくなり、すぐに鎮火させた。
この人は軍議のときは単なるプレゼン役で、立案者なわけではなかったようだ。
ちなみにヤハラは病人のような色白参謀、ウィトスはもう一人の参謀の名前だ。
「それよりも、どうするべきか教えてほしい。念のために一部隊戻しておいたほうがいいのか」
「はい、砦の門正面のラスキン隊は残しておいたほうが良いと思うので、その次に近いファーナ隊を戻しましょう。一部隊戻しても砦は十分攻略可能なはずです」
ファーナ隊に伝令が向かったようだ。
しかし、状況は何も変わっていないはずなのに、現在の局面が一気に危険な状態に思えてきた。
将棋中継とまるで同じだ。解説役の棋士が現局面を解説すると、盤面が動いていないのにもかかわらず、途端にどちらかが不利に見えてしまう。
嫌な予感が一段と強くなったときに、別の伝令が転がり込んできた。
「申し上げます! 敵が打って出てきました! 砦正面のラスキン隊は突破された模様! こちらに向かっているものと思われます!」
……どうやら、予感は当たりつつあるようだった。
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