暁 〜小説投稿サイト〜
稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
33話:腹黒とザイ坊の婚約
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イトリッツの件だ。こっちは母上が溺愛しているだけに婿入りの話はしにくいが、一番良い話に思えるものから判断したい。

「ザイトリッツに関しては辺境領主で年ごろが合いそうな子女がいる家からはほとんど話が来ていますが、良き話だと思うのはリューデリッツ伯のご孫女ゾフィー嬢とのお話です。唯一残った直系ですし、イゼルローン要塞の資材調達を取り仕切った件でリューデリッツ伯もザイトリッツをかなり見込んでいるところがあります。自分の後任にした手前もございますが、リューデリッツ伯は理論立てが成立する分野では優秀な男ですし、良い話だと思うのですが......。」

母上は少し不機嫌な様子で考え込んだ。

「RC社の利権の半分はザイトリッツの物です。その辺りはどう考えているのかしら?能力含め、外にだすには惜しすぎるように思えるけど。」

「はい。内々に男子が複数生まれた場合、当家の男爵株を渡す代わりにRC社の利権はそちらに相続させるなどの事前の相談は必要かと存じますが、リューデリッツ伯爵家はキフォイザー星域全体を領地として持っております。当家の領地とも接しておりますしザイトリッツも腕の振るいどころがあると思ってくれるのではと。また、内々ではございますが、同じく領地が接しているブラウンシュヴァイク公爵家から一門を婿として受け入れるように圧力をかけられているとか。キフォイザー星域は辺境星域では重要な航路でもあります。RC社の事業を考えても、横槍を防ぐ意味で、婿入りさせる価値はあるかと思います。」」

「分かりました。そこまで言うなら婿入りには反対しませんが、リューデリッツ伯は領地経営を担うために領地に引っ込むはずですね?その際はオーディンのリューデリッツ邸に私は移ります。こちらはビルギットがしっかり差配できるでしょうし、問題ないでしょう。」

「母上それは......。」

「この条件を含めないのならザイトリッツの説得は致しません。レオンハルト様の生まれ変わりと厳しく養育したのは私ですし、それに応えて、領地の経営案を出したりRC社を設立したのです。私がついて行かなくてはルントシュテット家にこれだけ尽くしたにもかかわらずいらないと思われたと誤解するやもしれませぬ。そんなことになるなら、この話は無しにした方が良いでしょう。」

「母上、我が子を脅迫するなど、帝国貴族の淑女にふさわしい行いとは思えませぬ。」

「あらそう?残念だわ。ならザイトリッツに『私は止めましたが貴方の父が勝手に話を進めました。この上はルントシュテット家の事は忘れて好きに生きなさい!』と言うだけです。」

そんな事を母上が言えば、ザイトリッツの事だ、どんな無茶をするか分からない。本来なら軍人ではなくビジネスで身を立てたかった節もある。フェザーンに亡命してルントシュテット家を別に立て
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