33話:腹黒とザイ坊の婚約
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隊規模の駐留基地に改築する案件を単独受注して相変わらず好調。ザイトリッツの個人資産から最新型の造船所を、アムリッツァ星域とシャンタウ星域に新設する案件もかさなり、利益を上げ続けている。
つまり、男子がいない貴族家にとっても、優秀な当主候補がえられ、それなりに資金援助も期待できるという見逃せない物件になったのだ。結果として山のような婚約話が来ているし、ザイトリッツに至っては政府系の門閥貴族からも話が来ている。だが、ルントシュテット家は武門の家柄だし、家名に恥じぬように教育してきた。そんな彼らが婿入りを承諾するのか......。良い話でも婿入りは渋ると思う。
そんなこんなで切羽詰まった私は、母上の意見も踏まえて話を決める事にしたわけだ。特に3男のザイトリッツにとってずっと養育してくれた母上は絶対だろう。母上も承諾したとなれば無茶な事もしないはずだ。そしていまから家族会議が始まる。
「母上、いささか困ったことになりましたゆえ、私たちだけでは判断に迷うことも多く、本人たちに話す前に事前にご相談させて頂きたいのです。母上も了承しているとなれば、あの二人も従うでしょうし。」
「ニクラウス、ザイトリッツはともかく、コルネリアスは私の意向はあまり関係ないように思うけど。それにしても大量ねえ。喜ぶべきなのだろうけど、見合い写真が山積みというのは、貴族にとっては厄介でしかないものねえ。それでニクラウスはどういう考えなのかしら?」
「はい。この際、領地開発の支援は、むしろしない方が不自然でしょうから考慮するとして、門閥貴族からの話はお断りしようかと思っています。その上で軍部系貴族と辺境領主貴族のお話から選ぼうかと。当初は当家が持っている男爵株をコルネリアスかザイトリッツに継いでもらい、ルントシュテット家の血を太くすることも考えましたが、それはローベルトの世代に判断してもらおうかと。」
母上は少し考えていたが、了承の意味だろううなずいた。そしてこの辺のは除外ね。などと言いながら、山積みのお見合い写真の半分近くをより分けて処分箱に突っ込んだ。もう細かい事は気にせずに進める。
「コルネリアスについては、本人も喜びそうな話が1件だけ来ています。シュタイエルマルク提督にはRC社の造船の方でも何かとご意見を頂いている様子。本人もシュタイエルマルク提督の事は敬愛している様子ですし、領地もフレイヤ星域です。帝都との航路上なので、開発支援もたやすいでしょう。シュタイエルマルク提督は結婚されなかったので遠縁のレオノーラ嬢を養女にして婿入りする形になりますが。」
「第一候補ね。先に私とカタリーナで一度お茶会をしましょう。シュタイエルマルク提督の遠縁なら問題はないでしょうが、その方のご実家にも支援するつもりでいたほうがいいでしょうね。」
続いて3男ザ
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