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レーヴァティン
第七十話 セビーリアに向かいその七
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「どうも」
「そうですね、キリスト教だけではないので」
「他の宗教もあるとそうなるんだな」
「はい、絶対の存在がないと」
 それでというのだ。
「特にそれが一神教でないと」
「随分変わるんだな」
「やはり欧州はです」
 彼等の世界のこの地域はというのだ。
「まずです」
「キリスト教があってか」
「そこから全てがはじまっています」
 そうした地域だというのだ。
「キリスト教がとにかく大きいです」
「心って言われてるな、欧州の」
「ローマ帝国末期からですから」
 この頃にキリスト教がローマ帝国の国教になってというのだ。
「キリスト教が絶対のものになったのですから」
「だからか」
「はい、最早です」
「キリスト教がない俺達の世界の欧州は考えられないか」
「そこまでです。ですが」
「この世界は違うな」
「キリスト教はありますが」
 それでもというのだ。
「ギリシアや北欧の神々も強く」
「併存しているからか」
「はい、ですから三つの宗教がです」
「併存していて影響し合っていてか」
「世界を形成しているのでしょう」
「あれだな、日本で言うとな」
 それこそとだ、久志は言った。
「神道と仏教だな」
「はい、我が国はそうですね」
「神道と仏教は違う宗教だけれどな」
「併存していますね」
「お互いに影響し合っていてな」
「そして日本という国の信仰や学問を形成してきました」
 このことは日本の古典を読んでもわかる、日本は神道と仏教が共に存在していてそうしてあらゆるものを形成してきたのだ。
 だからだ、順一も言うのだ。
「それが日本でしてそして」
「この島もか」
「そうした感じでしょう」
「成程な」
「ですからカトリックでもです」
 この宗教でもというのだ。
「よく読めば我々のカトリックと違います」
「そうなのか?」
「そのことは」
「ちょっとわからなかったな」
 久志はというのだ。
「どうもな」
「そうですか、しかしです」
「こっちの世界のカトリックは俺達の世界のカトリックと違うんだな」
「プロテスタントからの影響も受けていて」
「それでギリシアや北欧の神々からもか」
「影響を受けています」
「他の宗教からの影響を受け入れているんだな」
「それも積極的に」
 そうなっているというのだ。
「私は読んでいてそう思いました」
「そうなんだな」
「はい、そして平和的です」
「ああ、昔のカトリックはな」 
 久志は自分達の世界のこの宗派のことを思って言った。
「それこそな」
「極めて攻撃的でしたね」
「異端は許さなくてな」
「十字軍も送っていましたね」
「あれ実は中東だけじゃないからな」
「南フランスに送り東欧にもです」
「リトアニアとかにな」

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